【秘録】スナップチャット創業者に、未来を賭けた投資家
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日本では知名度がそれほど高くないかもしれませんが、ピーター・フェントンは同じ日に2つの投資先がIPOした、同じ日に2つの投資先の巨額M&Aが起こったというシリコンバレーを代表するVCの一人です。Twitter、Docker、Yelp、Zendesk、Zuoraなどへの投資でも知られています。恐らく日本のメディア向けに話すのは今回が初めてかもしれません。
記事でも触れられているように、ベンチマークは他の有力VCとは一線を画するVCです。セコイア・キャピタルやa16zなどがファンドを大型化、多角化する一方で、ベンチマークは一貫してアーリーステージの案件にこだわってきました。
ピーター・フェントンがインタビューで語っているように、10年間のスパンでスタートアップを支えてきた例がスナップです。アーリーステージのどちらかといえばチーフ・プロダクト・オフィサー的な、製品や技術に注力しているCEOを、様々な経営資源を動かしていくCEOにしていくサポートをしているのがベンチマークといってもよいかもしれません。このスタンスはいいか悪いかは別として、ビジョン・ファンドの巨額の資金をいきなりスタートアップに投下し、事業拡大を支援するモデルとは対局をなします。個人的にはベンチマークが最後まで面倒を見たUberやWeWork(どちらもベンチマークの投資先)を見てみたかったです。やはりフェイスブックの札束攻撃(数千億円以上)を断固拒否して、まだ創業したばかりのスナップチャットを、10兆円の上場企業になるまで支えてきたストーリーは、非常に心に残りました。
ベンチマークは、シリコンバレーで最も名高いVCでありながら、いつもは秘密に包まれています。ホームページは、殺風景な画面に、会社のロゴとメルアドがひとつ掲載されているだけ。投資先の紹介ページすらありません。
しかし、彼らは超少数精鋭のチームで、完全に平等なパートナーシップのもと、5年、10年、15年と、選んだスタートアップが赤ん坊から成人するまで、全プロセスにコミットする極めてユニークなVCです。
そのトップ投資家のインタビュー、ぜひご一読ください。フェントン氏は2000年以降の最高のベンチャーキャピタリストで個人的にも彼がNo.1だと思います。彼のことを16週間おきにIPO Exitを実現する、Mr. IPO、触るものを金に変える男という人もいます。
ベンチマークキャピタルはVC業界の人間にとって憧れのファンドで、E-Boysというベンチマークキャピタルの創生とEbayの投資を描いた本をバイブルのように読みました。全てのパートナーが素晴らしい人格者で業界のリーダーであることでも知られています。
彼のような業界でのポジションも知名度もある方が高い長期的なコミットメントで全力で起業家に寄り添う努力をし続けているというのは本当に勉強になり、刺激にもなります。実際彼がボードに入っている会社が弊社の投資先にもあるのですが、ある時はCEOを叱咤激励し、ビリオンダラーカンパニーのCEOにふさわしいリーダーになれるよう支援していく様子は本当に勉強になります。
弊社の共同創業者であり本記事のインタビューワーでもあるフィルとの関係もあり、弊社のイベント等では登壇をいただいていますが、このような形で一般のメディアに話をするのは極めて異例で大変貴重なインタビューだと思います。