(ブルームバーグ): 中国はアリババグループに独占禁止法違反で過去最大の罰金を科したが、同社は政府に謝意を示し、投資家は安堵(あんど)のため息をついた。

アリババの米国預託証券(ADR)は12日のニューヨーク市場の取引で9.3%高と、約4年ぶりの大幅な上げとなった。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、これによってアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏の資産は23億ドル(約2500億円)増え521億ドルになった。

アリババへの罰金182億元(約3000億円)は一部の投資家が懸念していたほど厳しくはなく、同社の2019年国内売上高のうちわずか4%に基づいており、中国の法律で認められている最高である10%を大きく下回る。

中国が独禁法違反で巨額罰金、アリババ抵抗できず-6年前とは一変

中国当局がフィンテック企業アント・グループの新規株式公開(IPO)を予定の2日前に中止させ、アリババに対する独禁調査を開始した後、昨年まで同国一の富豪だったマー氏の資産は大きく目減りした。現在は中国の長者番付で、ボトルウオーターメーカーの農夫山泉を創業した鍾睒睒氏、テンセント・ホールディングス(騰訊)の馬化騰(ポニー・マー)CEOに次ぐ3位。

原題:Jack Ma’s Fortune Jumps $2.3 Billion After Record Alibaba Fine(抜粋)

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