[12日 ロイター] - ロイターニュースは今月で退職するスティーブ・アドラー編集主幹の後任に上級編集者のアレッサンドラ・ガロニ氏を充てる人事を発表した。170年続くロイターの歴史で初めて女性が編集主幹となる。

ガロニ氏(47)はイタリア・ローマ生まれで、4つの言語を話す。グローバル・マネージング・エディターとして世界200拠点の記者を統括してきた。ロイターのイタリア語ニュースサービスでキャリアを開始し、その後は約13年間、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)で経済・企業ニュースの記者と編集者として経験を積み、2013年にロイターに復帰した。今月19日に就任する。

ガロニ氏は発表文で「ロイターは170年にわたり独立し、信頼できる国際報道の基準を打ち立ててきた」とし、「有能で献身的かつ人の心を動かすジャーナリストを多数擁する世界クラスの報道機関を率いることができるのは光栄だ」とコメントした。

ロイターニュースは2008年以降、トムソン・ロイターの傘下にあり、全体の売上高の約10%を占めている。利益を出しているものの、アナリストによると、親会社の増収率や利益率を圧迫する要因になっている。

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ゲイリー・ビスビー氏はロイターニュースは今後もトムソン・ロイターの業績の伸びを圧迫する要因になると予想。ただ、他の部門は急速に成長しており、徐々にニュース部門の下押し圧力も消えるだろうと分析した。

トムソン・ロイターのスティーブ・ハスカー最高経営責任者(CEO)は、同社は「ロイターニュースの将来にコミットしている」とコメント。「当社の重要な一部で、顧客基盤全体に価値を認められている。ここ1年に公平で独立した国際ジャーナリズムの価値が証明されたのは疑いようがない」と述べた。