[ロンドン/ロサンゼルス 8日 ロイター] - エジプトのスエズ運河で起きたコンテナ船座礁を受けて、国際的なサプライチェーン(供給網)の混乱が長引くとの懸念が海運業界で強まっている。

スエズ運河では3月末、大型コンテナ船「エバーギブン」が座礁し、多くの船が1週間近く停滞を余儀なくされた。米国に本社を置くヘルマン・ワールドワイド・ロジスティクスのライナー・ハイケン最高経営責任者(CEO)は、今後数週間、アジアと欧州の物流を中心にこの影響が及ぶと指摘する。

携帯電話からデザイナー商品に至るまで様々な製品を運ぶコンテナ輸送は、新型コロナウイルス下の製品需要の急増で既にひっ迫していた。

アントワープ港の当局者は、港湾やターミナルの運営各社が既に今後の混乱に備え始めていると指摘した。

その上で「世界のサプライチェーンへの影響は数カ月続く見通しだ。世界のコンテナ業界には、スエズ運河で起きたコンテナ船座礁に対応できるだけの余剰能力がない」と説明した。

コンテナ船世界最大手のマースクは顧客向け通知で、スエズ運河で停滞していたコンテナ船の米東海岸到着が数日遅れると指摘している。

香港の運輸当局は、現時点で欧州間のコンテナ輸送に大きな影響は出ていないが、状況を注視するとしている。