2021/4/3

【最新】夜空の知られざる「爆発現象」の正体

国立清華大学
電波望遠鏡で夜空を見上げると、毎日数千発もの爆発現象が観測できるのをご存じだろうか。驚くべき事実だが、ごく最近まで知られていなかった。
もちろん、過去にも電波望遠鏡は夜空を観測してきた。
しかし、この爆発現象はわずか1000分の1秒で消えてしまうため、長時間露出の従来の電波望遠鏡では捉えることができなかったのだ。
「高速電波バースト」と呼ばれるこの爆発現象は、あまりの短さから、やってくる位置を突き止めるのはもちろん、追加観測をすることも難しい。それゆえ、正体は謎のままだった。
人間の目は電波を捉えることはできないが、もし、夜ごと空に数千発の花火が上がっているのを見たら、天文学者ならずともその正体を突き止めたくなるだろう。
実は、統計学的な手法でその正体を明らかにしたとする論文が、このほど発表された。
さらに今後、高速電波バーストを道具として使うことで、天文学の巨大な謎を解明できるかもしれないという。
論文の主要著者で、台湾を拠点に研究する橋本哲也博士が自ら解説する。
INDEX
  • 天文学の最前線「高速電波バースト」
  • 宇宙人が発した電波?
  • 高速電波バースト研究はなぜ難しいか
  • 「数密度の歴史」に着目
  • 驚くほど明快な結果
  • 人類に残された最大の謎を解く
  • 相対性理論の検証にも