[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は25日、資産買い入れの焦点が購入規模から債券価格に移行しつつあると述べ、向こう数カ月は買い取りを機械的にこなすのではなく、利回り水準を重視する考えを示唆した。

ECBの市場運営を担当するシュナーベル氏は「良好な資金調達環境を維持するというわれわれの方針は、購入する資産の量から国、企業、家計が信用を得るための条件となる価格へと焦点が移行している」と表明。「危機の最初の段階では量自体が目的だったが、今日では量は目的を達成するための手段であり、良好な資金調達環境を維持するというわわれれのコミットメントを実現するために必要な範囲で活用している」と説明した。

一方、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)には関与しないとした上で、「良好な資金調達環境」は相対的な概念であり、望ましい利回り水準は経済状況に応じて変化すると指摘。また、今月に大幅に低下したインフレ調整後の金利の方が名目金利よりも消費や投資を促進する上で重要な要素になると主張した。

金利をこれ以上下げると逆効果になる恐れがあるため、必要な限り低い借り入れコストが続くと確約することがECBにできる最善の策だとも述べた。