[23日 ロイター] - 米有力専門誌「コンシューマー・リポート」は23日、米電気自動車(EV)大手テスラが自動運転技術の開発を目的に、車内にいる乗客の動画を録画して送信する車載カメラを使用していることについて、プライバシー上の懸念を引き起こすとの見方を示した。

コンシューマー・リポートは、車載カメラの使用は、ドライバーが道路に注意を向けていない場合に警告するドライバー監視の安全面での利点を損ないかねないと指摘した。

同誌の自動車試験担当の幹部、ジェイク・フィッシャー氏は「ドライバーが注意を払っていないことをテスラが判断できるのなら、ほかの自動車メーカーがすでにやっているように、すぐにドライバーへ警告する必要がある」と指摘した。

米自動車大手フォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)の監視システムは、データと動画の記録や送信を行わず、赤外線技術を使ってドライバーの目の動きや頭の位置を判断し、機能的な障害や注意散漫の兆候を確認した場合は、警告しているという。

同社の車載カメラは、中国でもスパイ活動に利用されているのではないかと問題になっており、中国軍はテスラ製車両の軍施設構内への立ち入りを禁じた。

ロイターの取材に対し、テスラのコメントは得られていない。