[フランクフルト 16日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は16日、今年の電気自動車(EV)納車台数を2倍以上の100万台にすると発表した。前日にはEV電池工場の建設も明らかにしており、EVへのシフトを一段と加速する。発表を受けて株価は一時9%超上昇し、時価総額は1500億ドルに迫った。

コスト削減が向こう数年の利益率拡大につながることを確信しているとも表明した。

ディース最高経営責任者(CEO)は発表文で「危機に見舞われた2020年にわれわれの業績が良好だったことは事業変革の加速に勢いをつけるだろう」と指摘した。

同社は前日、2030年までに欧州でEV向け電池工場「ギガファクトリー」6カ所を建設する計画を発表している。

昨年のEV納車台数は42万2100台だったが、今年は100万台を目指す。営業利益率について、2025年までに7─8%にする目標を確認したほか、21年は目標コリドー(5─6.5%)の上限で終えられる公算が大きいと付け加えた。

目標達成に向け、23年までに20年比で固定費を20億ユーロ(5%)減らし、同じ時期に材料費を7%減らすという。

VWは、国内工場で早期ないし段階的退職の実施により、最大4000人を削減する計画だ。会社関係者が14日、明らかにした。

グループの世界全体の従業員数は約67万人。

北ドイツ州立銀行のアナリスト、Frank Schwope氏は「EV分野でVWは競合他社の先を行く」と指摘した。

VWの優先株は一時9.3%上昇し、2015年7月3日以来の高値を付け、時価総額は1210億ユーロ(1440億ドル)超に膨らんだ。年初から株価は30%以上値上がりしている。同社の普通株も約29%上昇した。

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