鈴木敏夫プロデューサー、大塚康生が今朝逝去と明かす…TAAF2021授賞式で哀悼の意捧げる
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大塚康生さん，残念です．
代表はルパン三世のアクション．「ルパン３世 カリオストロの城」での派手なカーチェイスやルパンのコミカルなアクションは作画監督である大塚康生氏によるところが大きい．
大塚氏は東映動画（現，東映アニメーション）の１期生として日本アニメを牽引してきた大御所．動きの演技には定評があり，「大塚アクション」と呼ばれていた．「白蛇伝」（1958年），「太陽の王子 ホルスの大冒険」（1968年），新旧ルパンシリーズ，「未来少年コナン」（1978年），「ルパン三世 カリオストロの城」（1979年）など，宮崎駿，高畑勲両氏との共同作品が多い．
自身の半生を綴ったエッセー本「作画汗まみれ」 https://amzn.to/3vq1mbg は必読．
日本アニメ草創期の貴重な話とアニメーションに対する大塚氏の考えが熱く語られている．とくに，大塚氏は「アニメーションというものはとにかく登場人物を動かすことが全てだ」という意見を強く持っている．ところが今のアニメは，アニメーションという言葉と矛盾して「止め絵」が多い．「職人としてのアニメータは，演出家の意図どおりに登場人物を演技させなければならない．そこにアニメータの存在価値がある」というのが大塚氏の主張．大塚康生氏の動画にかける情熱があふれ，カッコいい仕事をする男はこういう人だと分かるお薦めの一冊です．
朝ドラ「なつぞら」で，主人公「なつ」の先輩アニメーターで， 麒麟の川島明さんが演じた下山克己のモデル．実質的に活動期は1980年あたりまでだが、アニメーターとして果たした影響は大きい。若き日の宮崎駿、高畑勲を導き、両氏のジブリ前の作品に大きく関与している。また1973年「侍ジャイアンツ」で長浜忠夫監督と大塚康生作画監督が演出で対立し、これが後に長浜富野安彦のサンライズと大塚宮崎高畑のジブリへと作風が続くのが興味深い。
ルパンの峰不二子のキャラデザは、大塚康生と北原健雄の主に二系統があるが、小悪魔系の大塚康生のものが今は主流であるのも興味深い。一周回ってオシャレなんですよね。
ご冥福をお祈りします。
