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米メルク(日本子会社名 MSD)は、変遷の激しい医薬品業界においても、1900年代中頃より現在に至るまで、世界トップクラスの企業規模と技術力を維持している企業ですが、新型コロナワクチンの研究開発は臨床初期~中期の試験を経た段階で断念しました(2021年1月25日企業発表)。米メルクは、開発中止とほぼ時期を同じくして、米J&Jのワクチンの製造受託も発表しています。

断念の理由は「有効性が他社と比べて劣る(かつ遅い)」で、安全性の問題ではないようです。医薬品研究開発では、他に有効な医薬品がなければプラセボ(偽薬)との比較で検討されますが、他に有効な医薬品(ワクチンも含めて)が存在する場合は、人道上の理由から対照薬に実薬(今回は他のワクチン)を使い、臨床後期の比較試験が実施されます(クリアする基準が上がります)。この点でも、市場の形成の点でも、圧倒的に先行者有利だと言われます。また、臨床試験後半ほど指数関数的に臨床開発費用が増加しますので、米メルクは「不戦敗」を選びました。

米メルク、米J&Jとも巨大企業ながら、メルクは「医療用医薬品専業」、米J&Jは「医療関係で広範囲に多角化」と性格が異なり、医療用医薬品での過去の実績は米メルクの方が上でしょう。本来であれば、米J&Jにしてみれば技術流出を避け、独占製造・供給を守りたいという意向が働くはずですし、米メルクにとっても、格下企業からのOEM供給の受託を甘んじて受けることは(企業文化的視点から)簡単ではないとみられます。したがって、両社の提携には、緊急時における国家による強い働きかけがあるものと思われていました。
https://newspicks.com/news/5657000?ref=user_1310166

米J&Jのワクチン製造の遅延は別問題で、米メルクとの提携で直接的な解消を目指すものではありません。米メルク分は予備的確保が目的です。

米国政府にとって、現時点での関心事は「複数系統のワクチンの安定供給確保」に移っているとみられます。米J&J社のワクチンは、「ウイルスベクター」という技術をベースにしており、米国ではJ&Jのみが開発に成功しています。

「ウイルスベクター」は、英アストラゼネカ社-オックスフォード大と同技術系統で、他には、露、中の企業がこのタイプのワクチンを市場に出しています。
アメリカは新型コロナに対してマスクの着用やソーシャルディスタンスなどは徹底できず、世界最多の感染者と死者を出しているが、それでもワクチンの開発は昨年1月の段階で初めており、さらに製造、調達、分配まで一気に仕組みを作り上げた。さらにリスクに備えて新規調達。すごい。
J&Jワクチンのメルク生産支援を受け、可能になったということでしょうか