2021/3/24

【澤円×NHK英語講師】あなたの“英語力”を飛躍させる「4つの秘訣」

NewsPicks, Inc. Brand Design Editor
 「英語」は、人生の選択肢を広げる。
 ビジネスのグローバル化が加速する中で、“英語力”はビジネスパーソンの可能性を広げる「必須教養」になりつつある。
 しかし、日々多忙なビジネスパーソンにとって、それなりの時間と労力を要する「英語学習」は、つい挫折を繰り返してしまいがちだ。
 次こそ“本当の英語力”をものにするためには、英語を学ぶ意義や目的に立ち返り、自身の中に“強い動機”をつくることが不可欠になる。
 社会人になってから“伝わる英語”を身につけ、聴く人の心をとらえ続けた“プレゼンの神”こと澤円氏と、NHKラジオ英語講師、日本人の英語力を“見える化”する指標「CEFR-J」開発者、オンライン英会話スクール最大手のレアジョブが提供する「スマートメソッド®コース」の監修者を務めるなど、英語教育に詳しい東京外国語大学大学院の投野由紀夫教授が、改めてビジネスパーソンが英語を学ぶ意味と伸び悩む理由、話す力を飛躍させる学習術を語り合った。
INDEX
  • 英語は、最もコスパの良い自己投資だ
  • 正しくない英語に最も厳しい“英語警察”は日本人である
  • 「成果の可視化」でモチベーションを手に入れろ
  • 英語力は「心の滋養」になる

英語は、最もコスパの良い自己投資だ

──澤さんは、以前からビジネスパーソンがスキルアップを目指す上で、最もコスパの良い自己投資として「英語」を挙げています。
澤 日本語を話す人は世界の人口の1%台に過ぎないのに対し、英語は世界の共通語です。
 英語ができればコミュニケーション可能な範囲が数十倍に広がる。そのインパクトは絶大で、就職や転職に有利などというのは結果のひとつに過ぎません。
 ましてや、日本で少しでも閉塞感や生きにくさを感じている人であれば、仕事を取りに行ける地域や行動範囲が広がり、日本特有の価値観に縛られないフラットな環境で生きることができます。
 始めるハードルは圧倒的に低いのに、人生の選択肢が劇的に広がっていく。
 だから英語は、最もコスパの良い自己投資なのです。
投野 同感です。英語を学ぶということは、自分の世界と可能性を広げるための「一生役立つスキル」が身につくということです。
 今はSNSなどの普及により、誰でも世界中の人とコミュニケーションが取れる時代です。こうした状況下ではアドバイスを求めたり、仲間を募ったりと、プロジェクトを動かそうとするときに、英語で発信できれば一気に可能性が広がる。
 裏を返せば英語を身につけていないということは、世界の人口の1%台である日本語を話せる人としか、コミュニケーションが取れないということです。
澤 それは非常にもったいないですよね。かくいう私も、伝わる英語を身につけたのは、社会人になってからでした。
投野 そうだったのですね。澤さんは、どのように英語を習得されたのですか?
澤 元々、高校時代に1ヶ月間アメリカにホームステイしたことはありますが、それ以外に留学等の特別な経験はありません。
 そんな私がマイクロソフトに転職して、日常的に英語を使う環境に身を置くようになりました。そこでは、言いたいことが伝えられないもどかしさに心が折れそうになったことが何度となくあったんです。
 でも、そのたびに「強烈な原体験」を思い出して、食らいつくように英語を話すことで、徐々に習得していきました。
投野 強烈な原体験、ですか?
澤 はい。最初に就職した会社の研修旅行先で訪れたロサンゼルスのスターバックスで、アジア系の女性と相席したことがあったんです。
 流暢な英語で話しかけてくる彼女にたどたどしい英語で必死に答えていると、突然「日本語で話していい?」と言われました。
投野 女性の方は日本人だった?
 いえ、それが違うんです。
 私も「なんだ日本人だったのか」と安心して日本語で話をしていたら、今度は「私の日本語、変じゃない?」と聞いてくる。
 「全く問題ないですよ? アメリカ生活が長くて忘れちゃったんですか」と答えたら、「私、韓国人なの。3年前から日本語を勉強してるの」と言うんです。
 聞けば彼女は長く専業主婦で、60歳でご主人に先立たれてから、自立するために日本語を学び始めたそうです。
 60代の専業主婦が3年で日本人と勘違いされるほどの日本語力を身につけている。それなのに、中高大と英語を勉強してきた20代の自分が英語を使いこなせないなんて、甘え以外の何物でもないと強烈に突き付けられた体験でした。
投野 なるほど。確かに「強烈な動機」は、学習の原動力としてとても重要ですよね。
 年齢と語学習得との関係に関しては、さまざまな研究がなされていますが、発音などの特定の領域は若いほど身につきやすい。
 一方で、文法や語彙などに関しては大人のほうが圧倒的に習得が速いことも分かっており、トータルで見れば決して年齢はハンデにはなりません。
 むしろ、「一人で生きていく」と決意を固めたその女性のように、強烈な動機付けがあると英語学習は継続しやすい。
澤 動機付けがあるとそれはそれで素敵ですが、必ずしも強い動機である必要はありませんよね。
投野 おっしゃる通りで、はじめは「海外事業に携わりたい」「将来は外資系企業に転職したい」のような漠然とした目標で十分です。
 その上で、なぜ海外事業に携わりたいのか? 自らの動機に向き合うことで、自然と英語を身につけないといけない理由が自分の中で腑に落ちていくものです。
 そうすると、英語力は確実に必要なスキルになるので、学習せざるを得ないことが自分の頭で理解でき、英語学習の継続において、大きな効果を発揮するはずです。

正しくない英語に最も厳しい“英語警察”は日本人である

──とはいえ日本人は、英語に苦手意識を持つ人や、勉強を始めても続かないという人は多いです。
澤 日本人は完璧な英語でないと人前で話せない、というのはよく言われる話ですが、正しくない英語を話す人に対しても、一番厳しいのは日本人です。
 例えばアメリカやイギリスの多くの地域ではネイティブでない人も大勢住んでいて、訛りの英語や間違いを含んだ英語は日常的に飛び交っています。
 もっと言えば、アメリカのグローバル企業では、トップが英語ネイティブではない企業も珍しくない。
投野 ただでさえ島国で日常的に英語を使う機会が少ないのに、下手な英語で恥をかきたくないと考えるメンタルの問題は、英語学習の大きな壁になっていますよね。
澤 まさにそうで、実際マイクロソフト時代の周りの同僚も多くはネイティブではなかったですし、英語が下手であることを突っ込んでくる人はいなかったです。
 意思疎通ができればOKと許容するのが世界のスタンダードだと思っています。英語の正しさや流暢さにこだわるのは二の次で、まずは「意味が伝わる」ことを目指せばいいのです。
投野 それに文法読解が中心の教育も、話せるようにならない背景のひとつです。
 しかもスピーキングは教育現場でのスキル評価が難しく、その人の「話す力」がどの程度で、次の段階にステップアップするために何が足りないかを示しにくい。
澤 確かに読み書きなら反復練習もしやすいのですが、即時性が問われる英会話になると、英語力がどれくらい伸びているのか、客観的に理解するのは難しかったです。
投野 そうなんですよね。私も全く同じ課題意識を持っていました。
 そこで着目したのが、外国語の習得状況を客観的に評価することを目的に欧州でつくられた国際指標「CEFR(セファール)」でした。CEFRにより、英語に限らずあらゆる外国語で「成果を完全に可視化」することが可能になるんです。

「成果の可視化」でモチベーションを手に入れろ

澤 なるほど。どのように成果を可視化するのですか?
投野 CEFRは大きくA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階にレベル分けされています。
 ただ、日本では80%以上が初級レベルのAに相当し、ネイティブに近いレベルであるCに該当する人は1%にも満たないと言われています。
 そこでAからBまでのレベルをより細分化して、日本人が取り組みやすくしたのが、「CEFR-J」という「日本人に特化した英語学習の指標」です。
澤 成果を可視化することで、スキル向上も実感しやすくなりますし、客観的に自分の英語力が分かるということですね。
投野 おっしゃる通りで、リアルタイムで自分のレベルを認識することは、学習の継続にとても重要です。そのため、さまざまなスキルや場面において、英語で何ができるかを示した詳細な「candoリスト」も用意しています。
澤 これは嬉しいですね。自分の今のレベルと目指すべきゴールを把握できる上に、学ぶべき要素が詳細に可視化されるわけですから。やりがいやモチベーションになります。
投野 ありがとうございます。そしてスピーキングを特に苦手とする日本人が効率的にレベルを上げていくため、CEFRとCEFR-Jに完全対応したのが、レアジョブが開発した「スマートメソッド®」なんです。
 16週間でCEFR-Jのレベルアップを成果保証するスピーキング力に特化したオンライン完結型の英語コーチングで、私も監修者として開発に加わりました。
 CEFRのスピーキング能力の基準となる正確さ、流暢さ、発音、表現の幅、やりとりや一貫性といった6つの発話の質を毎週細かく診断しながら、不足するスキルを補うトレーニングが可能です。
 特に短期間でスピーキング力の向上を目指したい方に、おすすめの英語コーチングになります。
澤 面白い。僕も試してみようかな。最近英語を使う機会が減っていたので、心配していたんです。
 限られた時間の中で、自分が目指したい英語力に向けて学ぶことができるとありがたかったのですが、4ヶ月という短期集中型で、効率的に学習できるのがありがたい。
 そもそも闇雲に英語学習を始めたところで、「自分がどの程度の英語力を目指したいのか」が分からなければ、モチベーションが継続するはずありませんから。

英語力は「心の滋養」になる

──最後に「伝わる英語」を身につけるために必要なアクションについて、アドバイスをいただけますか?
投野 話すためのベースとして、頭の中になるべく多くの英単語が入っているのが理想なので、話したいことの何倍も読んだり聞いたりするインプットはもちろん必要です。
 ただ、インプットばかりでは意味がないので、澤さんのようにアウトプットができる機会を積極的に探し、実践してほしいですね。
澤 インプットの量は重要なんですけど、それで安心しちゃうのはだめですよね。
 例えば、「トトロ」のキャラクターを何も見ないで紙に描いてみて、と言うと分かりやすいのですが、多くの人が全然描けなくて困ってしまう。誰もが何度も目にしているキャラクターなのに、アウトプットしようとするとできないんです。
 インプットはアウトプットすることを前提に取り組むことでより高い効果が期待できますし、そのインプットを続けるモチベーションを高めるためには、アウトプットで成功体験を積んでいく必要がある。
 要するにセットで取り組むことが重要です。
 いきなり海外事業部に行って英語を使って大活躍するといったホームランを狙う必要はありません。スクールや英会話カフェ、ボランティアでもなんでもいいので、アウトプットの機会をつくることから始めることをオススメします。
投野 アウトプットの機会をつくることで、最初は恥ずかしい経験をするかもしれません。でも、たとえ失敗したとしても、それは「強い動機」になり、まず土俵に上がることは、外国語をマスターするカギになります。
澤 人のモチベーションは、「このままだと死ぬ」といった危険が迫るときに最も高まる一方で、「チャンスを掴もう」というモチベーションで行動できる人はあまりいません。
 日本に住んでいて英語ができないと死ぬようなことはまずないので、多くの人は学習が続かないのですが、だからこそ行動できれば「差別化」になります。
 英語力はグローバルビジネスを展開する上で常に必要とされるスキルですから、身につけていれば大きな自信になるし、ビジネスパーソンの「心の滋養」になります。
投野 心の滋養、というと?
 例えば相性の悪い上司に悩まされているなど職場環境が悪くても、英語ができれば人生の選択肢が自然と増えるので、いつでも辞められると思えますよね。
 本当に転職するかどうかはともかく、そう思えるだけで人間の心は軽くなるし、些細なことで気に病むこともなくなる。
 つまり、一生モノの「心の健康」を手に入れられるということです。そういう面でも、英語はコスパの良い学びなのです。
●成果保証について
レアジョブ社の定めるレアジョブスピーキングレベルにおいて1レベルアップ(CEFR-Jにおける1レベルアップ)以上の学習成果を保証しています。レアジョブ社の定める受講基準を満たしていただいたにもかかわらずレベルアップが見られなかった場合、受講状況を鑑みたうえで、必要と判断される学習プログラムを無料でご提供いたします。