2021/3/9

料理本ベストセラーで読み解く「コロナが変えた食トレンド」

料理本の売り上げは17%増加

2020年にアメリカで愛読された料理本は、この特殊な1年を象徴する文化的遺産になるだろう。なにしろ、ウイルスによって全米の家庭が自炊を強いられたのだから。
新型コロナウイルスのパンデミックは、料理本にとって追い風になった。アメリカの書籍販売の約85%を把握するNPDブックスキャンのデータによると、料理本全体の売り上げは、2019年から17%増加した。
なかには、もともとベストセラーが予想されていた本もある。
ライフスタイル界のカリスマで、「シップラップ(DIYリフォームによく用いられる木製ボード)の女王」の異名をとるジョアンナ・ゲインズは、大ヒットした『マグノリア・テーブル』の続編を発売。同書はニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト(2020年版)で、料理部門のトップに輝いた。
ライフスタイル界のカリスマ、ジョアンナ・ゲインズ(Mireya Acierto/FilmMagic)
一方で、この気が滅入るような1年は、人々の料理への向き合い方、食についての考え方を、根本的に変えることになった。
その変化を理解するには、2020年に売れた2150万冊の料理本について、さらに深く掘り下げる必要がある。

調理家電の活用本が大ヒット