[ニューヨーク 4日 ロイター] - 市場関係者によると、米国債などを担保にして短期資金を貸し借りするレポ市場で4日、10年債貸借(レポ)取引金利が一時マイナス4.25%に低下した。投資家が米国債の売り持ちを増やし、市場の緊張が高まっていることが背景。

レポ市場での国債の品不足を解消するために連邦準備理事会(FRB)が10年債を供給したため、レポ金利のマイナス幅はその後縮小し、直近でマイナス0.50%。レポ金利は週初からマイナス圏にあった。カーバチュア・セキュリティーズの幹部、スコット・スカイルム氏によると、前回マイナスを付けたのは昨年6月。

レポ金利がマイナスとなる場合は通常、特定の担保証券への需要が増えたり、市場への供給が滞っている可能性がある。足元は10年債の品不足が原因とアナリストは指摘する。

FRBが金融緩和策をどれだけ長く継続するのかを巡る不透明感が、レポ金利がマイナス圏に沈んだ要因の一つとなった。

スカイルム氏は「市場は非常に変動が大きくなっているため、緊張が高まっている」と指摘。

投資家は米国債利回りが上昇を続けると予想し、売り持ち高を増やしている。米経済対策の財源を確保するための国債増発や景気回復への期待が背景にある。直近の10年債利回りは1.578%。

スカイルム氏によると、FRBが4日、保有する109億ドル相当の米10年債のうち87億ドル相当を市場に貸し出したという。

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