[ローマ/ブリュッセル/東京 26日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)は26日にオンライン形式で開いた財務相・​中央銀行総裁会議で、新型コロナウイルス禍からの回復に向けた拡張的な政策の維持で合意し、コロナ禍と経済危機の双方に多国間主義的な手法で対応していくことを確認した。

議長国イタリアのフランコ財務相は会合後の記者会見で「財政政策と金融政策を通した支援の拙速な解消を回避することで合意した」と述べた。

イタリアは声明で、G20が「一段と力強い多国間的なアプローチを採用し、一連の中核的な優先事項に集中することで、世界が直面する課題に対応するために国際協力を促進する」と表明した。

今回の会議では、危機で不相応な打撃を受けている貧困国に対する支援についても討議。融資能力の増強に向けた国際通貨基金(IMF)の資本増額に対する広範な支持が示された。ただ、具体的な額は提示されなかった。

IMFは昨年、準備資産である特別引出権(SDR)の5000億ドルの新規配分を提案。ただ、トランプ前米政権が反対し、実現しなかった。これについてフランコ財務相は「SDRに関する討議はなかった」とし、IMFの提案をたたき台に今後、協議を進めていくと述べた。

貧困国に対する債務返済猶予措置の期限の6月以降の延長については何も決定されず、次回会合で再度討議する。

麻生太郎財務相は会議後に記者団に対し、経済成長のほか、新型コロナワクチン接種状況を巡り低所得国との格差が拡大していることを踏まえ、主要国に対し団結して対応するよう呼び掛けるとし、低所得国の支援に向け日本はSDRの新規配分を支持すると述べた。