[東京 18日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比52円78銭高の3万0344円97銭となり、反発。主力銘柄が利益確定売りで押される中、指数寄与度が大きいファーストリテイリングの上昇が支える展開となった。TOPIXはさえない。

前日の米国株式市場はナスダック総合が続落し、S&P総合500種がほぼ横ばいで取引を終了。IT関連株への売りやインフレを巡る警戒感が重しとなった。一方、ダウ工業株30種は上昇した。

日本株は朝方から主力銘柄を中心に利益確定売りが優勢となったものの、ファーストリテが踏み上げの様相を呈し、この1銘柄だけで日経平均を支える格好となっている。前引け段階で同社は前日比4300円高。除数27.769で計算すると、154円寄与したことになり、実質的な相場はマイナスで、TOPIXも寄り付き直後に高くなった後は、安値もみあいに終始した。

ファーストリテは、インデックス売買によって上下することが多いものの、この日は高額日歩に耐えられない投資家が買い戻す「逆日歩攻め」によって買い戻しが活発化したとの見方もあり、「同社の上昇が見た目の強弱感をわからなくしている」(国内証券)という。

市場では「相場全体にこう着感が生じているが、下値ではワクチン接種による経済正常化期待から押し目買いが流入し、調整となっても株価は下げ止まるとの期待もある」(野村証券・投資情報部投資情報二課課長代理の神谷和男氏)との声が聞かれた。

TOPIXは0.54%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆4828億0500万円となった。東証33業種では、空運業、医薬品などが上昇し、その他金融、鉱業、証券業などの値下がりが目を引いた。個別では、トヨタ自動車、ソニーなどが安い一方、中外製薬が高い。

東証1部の騰落数は、値上がりが630銘柄、値下がりが1470銘柄、変わらずが銘柄94だった。