[ラボック(米テキサス州)16日 ロイター] - 米国で16日、南部州を中心に広い地域を襲っている厳しい寒波の影響で、テキサス州からニューヨーク州の約530万世帯が停電に見舞われた。メキシコ湾岸の石油生産施設や製油所の多くも操業を停止し、エネルギー産業のほか製造業などにも被害が及んでいる。

停電はテキサス州で約440万世帯と、打撃が最も大きい。

製油施設も閉鎖を余技なくされ、国内の製油能力の21%に相当する日量約400万バレルに影響が出ている。

メキシコ湾岸の石油関連施設では日量300万バレル超の精油能力が影響を受けた。

石油精製のモティバ・エンタープライゼズは、国内最大の日量60万バレルの精製能力を持つ製油所などが入るポート・アーサーの施設を閉鎖。エクソンモービルやトタルなども施設を閉鎖した。

原油先物価格は、13カ月ぶり高値に上昇。天然ガス先物も約3カ月ぶり高値で推移している。

エネルギー供給の停滞により、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、高利益率のピックアップトラックやスポーツ多目的車(SUV)などを生産する複数の工場でシフト削減に踏み切った。

トヨタ自動車や日産自動車も一部工場でシフトを削減。フォード・モーターはカンザスシティーの工場で主力車種「F150」の生産を21日まで停止する。

宅配大手フェデックスは、一部地域への宅配サービスに支障が出ていると明らかにした。

寒波による影響でこれまでに少なくとも21人が死亡した。新型コロナウイルスのワクチン接種施設も閉鎖され、ワクチン供給に混乱が生じている。

テキサス州ダラス・フォートワースでは摂氏マイナス17度と、過去最低気温を記録。道路の凍結や一酸化炭素中毒などで計4人が死亡した。

また南東部では、北極前線に伴い発生した低気圧によって、少なくとも4件の竜巻が発生し、ノースカロライナ州沿岸地域で3人が死亡した。

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