[東京 12日 ロイター] - 日本郵政グループが12日発表した2020年4―12月期決算によると、ゆうちょ銀行の国債保有残高は12月末時点で50兆2856億円で、運用資産に占める割合は過去最低となる22.7%だった。6月末、9月末は、それぞれ24.8%、24.1%だった。12月末時点の法人向けローン証券化商品(CLO)への投資は、9月末と比べ1568億円増加した。

ゆうちょ銀の運用資産額は12月末時点で220兆7747億円。かんぽ生命の国債保有額は37兆0428億円となり、20年9月末から497億円減少した。運用資産に占める割合は53.2%。

郵政グループの運用状況のうち、ゆうちょ銀はCLOへの投資を増やした。12月末の取得原価は2兆1213億円で、評価損は1111億円。9月末の取得原価は1兆9645億円で、評価損は792億円だった。

オンライン会見したゆうちょ銀の今井健一財務部長は、CLOへの投資について、低金利が続く中、安定した収益を確保するための投資分散化の一環と述べ、「適切にリスク管理を行いながら投資していく」との考えを示した。

同時に発表した日本郵政グループの20年4―12月期の連結純利益は、前年同期比7.6%減の3900億円だった。郵便・物流事業では、新型コロナウイルスの影響で取扱数量が減少した。

かんぽ生命は21年3月期の連結純利益予想を前期比17.7%減の1240億円から同4.2%増の1570億円に上方修正した。運用環境の好転などを見込む。日本郵政グループとゆうちょ銀は、従来予想のまま据え置いた。

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(新田裕貴)