2021/2/10

【ルポ】私はニューヨークで「大不平等」の現場を見た

ジャーナリスト
日本人には想像もつかないほど、ニューヨークには不平等が広がっている。
所得格差を示す「ジニ係数」は、OECD主要国の中でアメリカが第1位。とりわけ、多様な背景を持った人々が暮らす都市部での不平等は「格差大国」の中でもトップクラスだ。
実体経済と乖離した株高によって富裕層の資産が増大したが、「その他大勢」の人々の中にはGAFAのサービスと縁のない人もいるほど経済的苦境に立たされている。
さらに2020年は、新型コロナウイルスが、経済格差を「命の格差」に変えた。
一部の富裕層が足早にリゾート地に退避する一方で、エッセンシャルワーカーは感染リスクの高い都市部にとどまらざるを得ず、命の危険と隣り合わせで働いている。
アメリカで今、何が起きているのか。
ニューヨーク在住のジャーナリスト・津山恵子氏がレポートする。
津山恵子/ジャーナリスト
東京生まれ。ニューヨーク在住のジャーナリスト。共同通信社の経済部記者、ニューヨーク特派員を経て独立。米国の経済、政治について「AERA」をはじめ、各媒体に執筆。著書に『「教育超格差大国」アメリカ』など。