2021/2/5
【後編】未来をリアルに見通すための「7つのルール」
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、京都大学大学院特任准教授の山本康正氏だ。
前編では、山本氏の近刊『2025年を制覇する破壊的企業』(SB新書)のエッセンスを要約しながら、5年後の世界を支配する「世界最先端企業」11社の動向を読み解いた。
後編では、これら「ビッグ11」がメガトレンドを生み出す世の中で、企業やビジネスパーソンがサバイバルするために欠かせない視点を、山本氏に聞いた。
──近年、不確実な世の中で「未来予測本」がブームになっています。この『2025年を制覇する破壊的企業』という本は、どのような狙いを持って書かれたのですか?
山本 実は、私自身は普段、「未来予測本」の類いを読まないようにしているのです。自分のインサイト(洞察)に、ノイズが混じってしまうので。
ですが、このところ書店に「未来予測本」があふれるのを眺めていると、むやみに危機感を煽るものが多いことが気になりました。建設的な対策を早めに考えるために危機感を煽るのはいいのですが、ただ不安を掻き立てようとしているだけに思えたのです。
さらに、現場目線で「テクノロジー」の分析を取り入れた本があまりに少ないと感じました。GAFAなどのテクノロジー業界についても、内部のフロント部門で働いたことがない人が語っても説得力は半減します。
これからの世の中を変えるのは、各国政府や国際的な機関ではなく、テクノロジーを持つ民間企業や団体です。このコロナ禍でも、アメリカの一部地域ではデータの扱いに長けた民間団体が、後手に回る政府に代わってコロナ対策をリードしました。
テクノロジーが社会にしっかり根を張りながら世の中を変えている一方で、机上の「シンギュラリティ脅威論」などが話題になっている日本の現状は、シリコンバレーの人間からすると違和感しかありません。
なので、事業の経験がある人間が、現場感のある未来予測を書くというところに意味があるのではないかと思ったのです。
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