[ワシントン/ニューヨーク 2日 ロイター] - 国務省高官は2日、ミャンマー国軍による権力掌握を軍事クーデターと認定し、同国への対外援助を「抜本的に」見直すと発表した。こうした中、2日夜にはクーデターを受け、ミャンマー最大都市ヤンゴンで大規模な抗議デモが行われた。

米政府はイスラム教徒少数民族ロヒンギャ向けなどの人道的支援は継続するとした。

さらに、ミャンマー国軍の指導部や関連企業への制裁を見直す方針も明らかにした。

バイデン米政権は、ミャンマーに対する制裁復活の可能性を示唆していた。

米軍のマーク・ミリー統合参謀本部議長はミャンマー軍に接触を試みたが、電話はつながらなかった。

拘束されたアウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)は、国軍に対し、スー・チー氏やウィン・ミン大統領らを解放し、NLDが勝利した昨年11月の総選挙結果を承認するよう求めている。

国軍は総選挙の結果を受け入れず、選挙で不正があったと主張。クーデターでNLDの指導者らを拘束し、ミン・アウン・フライン国軍司令官が国家権限を掌握したとし、1年間の非常事態宣言を全土に発令している。

国連安全保障理事会は2日、ミャンマー情勢を巡る非公開の緊急会合を開いた。国連ミャンマー担当特使のクリスティン・バーゲナー氏は、安保理全体で「軍による行動を強く非難し、ミャンマーの民主化を支持するという明確なシグナルを送る」べきと促した。

外交官によると、安保理の会合では英国が作成したクーデターを非難する声明について討議された。声明は全会一致で採択される必要がある。

中国の国連代表部の外交筋は、声明草案でコンセンサスに達するのは難しいとの見解を示した。

<スー・チー氏の健康状態は良好>

NLDの高官Kyi Toe氏は2日、スー・チー氏の健康状態は良好で、国軍がクーデターを起こした際に拘束された場所にとどめられていると明らかにした。別の場所に移送される計画はないという。フェイスブックへの投稿で述べた。

これより前の投稿では、スー・チー氏が首都ネピドーで自宅軟禁されているとしていた。ロイターは同高官から確認が取れていない。

ミン・アウン・フライン国軍司令官は、政権掌握後初の閣僚会議で、選挙管理委員会が不正選挙の訴えを否定したことから軍の政権掌握は避けられなかったと述べた。

同司令官は自由で公正な選挙と勝者への政権移譲を約束しているが、時期には言及していない。

*内容を追加しました。