(ブルームバーグ): 個人投資家の株式取引プラットフォームを提供する米ロビンフッド・マーケッツは1月31日、取引制限リストの対象を先週末時点の50銘柄から8銘柄に減らしたことを明らかにした。同社のウェブサイトに最新の制限リストが掲載された。

新たな制限リストにはビデオゲーム販売の米ゲームストップ(GME)のほか、AMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)、ブラックベリー(BB)、エクスプレス(EXPR)、ジーニアス・ブランズ・インターナショナル(GNUS)、コス(KOSS)、ネイキッド・ブランド・グループ(NAKD)、ノキア(NOK、米国預託証券=ADR)が含まれる。

ロビンフッドのウェブサイトによれば、これらの証券銘柄は新たなポジションの設定が現時点で可能だが、ユーザー1人当たりが保有できる株式・オプション数に制限がある。現在の保有が上限を既に上回るユーザーは、ポジションの売却や清算ができない。

クリアリングハウス(清算・決済機関)から保証金の引き上げを求められたことを受け、ロビンフッドは一部銘柄に購入制限を課し、1月29日時点で対象を50銘柄に増やしていた。

ロビンフッド、購入制限銘柄のリスト更新-50銘柄に対象拡大

人気の株取引アプリ運営会社としてゲームストップ株の急騰に一役買ったロビンフッドは、ソーシャルメディアへの書き込みが高騰を招いた一部銘柄の取引を制限し、政治の領域からの批判にさらされた。

エリザベス・ウォーレン上院議員は1月31日のCNNの番組で、最近の株価の乱高下に対する証券取引委員会(SEC)の大掛かりな調査を求め、多くの個人投資家を勧誘するロビンフッドのようなブローカーディーラーは「一定の基本ルール」の下での運営が必要だと主張。「それは公平な条件の維持に関わることだ」と語った。

一方、ロビンフッドによる制限が契約違反に当たると主張する複数の訴訟が既に起こされた。株式取引を不当に妨げられたとしてオンライン証券プラットフォーム運営会社を提訴した投資家らは、それでも訴訟の決着まで長い時間待つ必要があるかもしれない。

同社の担当者は、ウェブサイトの最新情報以外の内容に関するコメントを控えている。

原題:Robinhood Narrows Trading Restrictions to Eight Companies (2)、Robinhood Narrows Trading Restrictions to 8 Companies From 50(抜粋)

(株式・オプション取引の上限の数字などを追加して更新します)

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