2021/1/27

【三井住友信託】トップ人事で火が点いた「内部抗争」の全貌

NewsPicks編集部
三井住友トラスト・ホールディングス(SMTH)と、その傘下銀行である三井住友信託銀行(SMTB)で、かつてない「内紛」の火の手が上がっている。
きっかけは、今年4月のトップ人事だ。1月25日、同社の指名委員会は、SMTH新社長に高倉透・執行役員、SMTB社長に大山一也・同行取締役を内定した。
2人とも旧住友信託銀行出身者であり、2011年の経営統合以来続いてきた「たすきがけ人事」のバランスが崩れる。
これに対して旧中央三井信託銀行側が猛反発しているのだ。
指名委員会は、28日に開かれる取締役会に人事案を答申するが、「(取締役会)議長に一任」では済まされず、異例の「多数決」となる公算が大きい。
現時点の票読みでは、人事案は確実に可決される見込みであり、取り返しのつかない内部分裂にまで発展しそうな雲行きだ。
SMTHといえば、曲がりなりにも5大銀行グループの一角である。独立系としては、唯一の大手信託専業行だ。
日本を代表する大銀行らしからぬ「お家騒動」はいかにして起こり、ねじれていったのか。その一部始終を明らかにする。

「たすきがけ人事」の功罪