[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領は恩赦を与えたり減刑を認める100件以上のリストを19日の発表に向けて準備しているが、現時点で自身への恩赦は見送る意向だ。事情に詳しい関係筋が明らかにした。

トランプ氏が自身に恩赦を与えるかどうかについて側近らと非公式に協議したことが、ホワイトハウス関係者の話で明らかになっているが、政権関係者の一部は自己恩赦という異例の措置を取れば罪を犯したと見なされることになるとして実行しないよう進言していた。

自己恩赦について学者の多くは、誰も自分自身の案件を裁くことはできないという基本原則に反するため違憲だと指摘するが、恩赦の権限に関する憲法の文言は解釈の余地が大きいため、合憲だという意見もある。

民主党が多数派を占める下院は先週、支持者の連邦議会襲撃を扇動したとしてトランプ氏を弾劾訴追した。上院で弾劾裁判が開かれることになる。

関係筋によると、トランプ氏は自身への恩赦や、これまでに側近らと協議したことがある家族への予防的な恩赦を現時点で計画していないという。

トランプ氏は過去1カ月間に2回にわたり元側近などを対象に一連の恩赦を発表している。17日には側近らとともに、100件以上の恩赦と減刑のリストを最終決定したという。

CNNによると、リストにはフロリダ州パームビーチの有名な眼科医で、医療保険の不正を巡り多数の罪状で有罪判決を受けたサロモン・メルゲン医師が含まれる見通しだと報じた。

トランプ氏は20日に行われるバイデン次期大統領の就任式は欠席する予定で、同日正午に任期が終了する。

*チャンネルを追加して再送します。