イエレン氏、ドル安を目指さない方針明言へ
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コメント
注目のコメント
元々イエレンほど品行方正な人が為替の方向感に直接的な言及を働くと思っている市場参加者は稀だと思います。一方、為替政策報告書から感じ取れるドル安志向の強さは引き続き残りそうです。
「為替相場については市場で決まる相場を尊重すると明言し、競争優位性のため弱いドルを目指すことはしないことを明らかにする見通し」
管理貿易的な発想が残って為替への協調介入が時として行われた時代が去って、比較優位の原則に則って自由な貿易が行われる時代には、通貨も開放的な市場で自由に取引されて、然るべき水準にソフトランディングすべきもの。自由な市場を前提に国際協調の中で米国がリーダーシップをとることを目指すバイデン政権の財務長官として「市場で決まる相場を尊重すると明言」する前段は、驚くに当たらないように感じます。
また「競争優位性のため弱いドルを目指すことはしない」という後段も、経常収支の大幅赤字で流出するドルを米国債の販売で国内に還流させる必要がある以上、ドル安宣言をして米国債の魅力を落とすわけにいかないことから当然の一言であるように感じます。基軸通貨を持つ米国が率先して通貨を操作したら、他国を非難して押しとどめる根拠を失いますし。
保護貿易を前面に打ち出しドル安で米国を優位に立たそうと試みたトランプ大統領が特殊なだけで、必ずしも成功したとは言えません。中国や欧州が米ドル依存を警戒する態度を見せて、可能なら基軸通貨の地位を奪いたいという雰囲気も漂いましたしね・・・
良かれ悪しかれ、伝統的で“常識的な”米国の立ち位置に戻るということじゃないのかな (^^;