英金融サービス界に「ビッグバン2」、スナク財務相が示唆
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英国の産業政策は完全に迷走しています。国民投票直後は(ブレグジッターに対するリップサービス込みで)製造業の復興を掲げていたのが与党・保守党です。一方、相次ぐ政権交代で政治と官僚の距離感は広がるばかりとなり、一体感がありません。
そもそも特定の産業の育成を図る産業政策は、たかが数年で成果など出ません。メイ政権からジョンソン政権に交代したから産業政策の在り方が変わったとするなら、産業政策そのものの性格を理解していないことになります。結局、金融規制緩和でマネーを吸い上げる位しかない。
EUがこの金融規制緩和の先行に対して警戒感を示していましたが、米国で民主党政権が出来たこともあり、ロンドンだけで金融規制緩和が進むとは考えにくい。そもそも、繰り返しですがブレグジットは、金融に傾斜した英国の経済モデルを見直す文脈からも生じた現象のはず。
つまるところ、勢いだけでEUから出ただけなので、それをどうにか達成することは出来ても、その後の経済成長・発展戦略、戦術など、実は描けていないのが英国なわけです。ゆえに、大英帝国貿易圏構想といった誇大妄想を振りかざし、かつての属国に無視されてしまう。
ブレグジットファンは主権の回復を賞賛しますが、一方で、英国が具体的に何をするか、できるかについては興味がない様で、突き放したスタンスです。単に見世物ということなのでしょう。マルキシストが資本主義をシニカルに斬る一方で対案の中身に欠けている様にも似ています。
今後数年、英国はEU離脱のコストを払いつつ、EU離脱後の成長・発展戦略を描き直す必要に迫られます。それはジョンソン政権の仕事ではなく、次期政権の仕事なのでしょう。もっとも、その政権が安定できればの話ですが。
ブレグジットのプラス面にコロナワクチンの話を持ち出すのは論理の飛躍が過ぎます。ブレグジットを完結させた英国。新たな成長戦略はやはり金融。どんな手を打ってくるか注目です。英国では革新的でユニークなFinTechが次々に生まれています。その土壌を規制緩和やオープンバンキングで整備しています。
チャレンジャーバンクもそのひとつ。RevolutやStarling Bank、Monzoなど、これまでにないビジネスモデルで顧客を取り込んでいます。欧州では英国で誕生するFinTech数が最も多い。