[29日 ロイター] - ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、1─11月の業界平均リターンは7.3%で、S&P総合500種の上昇率(14%)を下回った。ただ新型コロナウイルスの感染拡大に伴う今年3月の市場の混乱でも資産を維持したこともあり、全体として評価できるとの声が多い。

キャピタル・ジェネレーション・パートナーズのロバート・シアーズ最高投資責任者は、2008年の金融危機と比べれば、3月の局面をヘッジファンドは総じてうまく乗り切り、プラスのリターンを確保したと指摘した。

カテゴリー別で最も成績が良好だったのは、株式の値上がりと値下がりに賭ける「ロング・ショート型」のファンドだ。HFRのデータでは1-11月の平均リターンが12%で、やはりS&P総合500種に及ばなかったとはいえ、個々に見るともっと高いリターンを実現したファンドもある。

ユニジェスチョンのディレクター、セドリック・フォンタニール氏は「ロング・ショート型はハイテク株投資の好調がプラスに働いた」と述べた。実際今年は在宅勤務や巣ごもりに関連するズーム・ビデオ・コミュニケーションズ、アマゾン・ドット・コムといった銘柄を運用資産に組み入れるファンドが多かった。

リターンの高さで目立ったロング・ショート型としては、10月末までで41.2%に達したリバーパーク・アドバイザーズの3億9100万ドルのファンドや、11月末までで21.2%だったウェリントン・マネジメントの13億7000万ドルのファンドなどが挙げられる。HSBCが集めたこれらのデータをロイターが確認して分かった。

また関係者からの情報では、オデイ・アセット・マネジメントのジェームズ・ハンベリー氏が運用するロング・ショート型も11月末までに37.3%のリターンを残した。