日銀、2%物価目標遠のいていること踏まえ原因検証開始へ-報道
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これをもって債券村の一部でマイナス金利解除の期待が高まっているようですが、すでに円高がじわじわ進むタイミングで、そんなことやったらさらなる円高は不可避なような気がします。
間接的に財政足りないから2%行かないと分析するような気がします。「2%の目標自体は堅持する公算が大きい」
目標を降ろした途端、大規模な緩和の継続姿勢が疑われて円高になったり金利が上昇したり株が下がったり、いろんなところに強い影響が出かねませんから、日銀はもう後には引けない心境でしょう、たぶん。
2%といった物価目標を明確にコミットしたら金融政策の手足が縛られて柔軟な対応が困難になるというのは、当初からあった懸念です。そうした伝統的な立場を否定して日銀が打ちだした“異次元緩和”は、世界に類を見ない規模の資産の買入れ、世界の中央銀行が禁じ手とする株式買入れの大規模化、といったものに手を付けるとともに、2%の目標も異例なほど強い形で打ち出して、戦後最長になるかと一時は言われた経済成長局面でも景気刺激を望む政府に毎月の経済報告で達成を要求され続け、欧米の中銀と異なり、緩和の出口を探る素振りさえ見せることが出来ませんでした。
インフレデフレは貨幣的現象だから量的緩和を大胆に進めれば物価は2年で上がるという“理論”の行き詰まりは最早明らかであるように感じます。「2%の物価安定目標が遠のいていることを踏まえ、原因の検証を始めると表明する方針」とのことですが、これまでの政策の正当性化ありきの姿を脱し、客観的な検証がなされることを期待したく思います。
とはいえ緩和がここまで極端に進んでしまった以上、日銀が冷静で客観的になり過ぎて、僅かなりとも引き締めの可能性を感じさせたら市場の反動は大きそう。新型コロナウイルス問題からの回復が遅れることを奇禍としてこれまでの成果を強調し、今後も緩和を続けるべきとの結論が、たとえ将来の出口に禍根を残すとしても、今は一番無難であるような気がします (^^;日銀の公表資料を見る限り、政策の大枠や政策目標は所与とした上での検証とのことですので、1)物価の低迷に関して新たな要素があるのかどうか、それらの影響はどの程度か、2)より有効な政策手段や運営手法があるのか、それらはどのように活用しうるか、といった点が焦点になるように思います。
記事が示唆するように、開始当初は異次元であった日銀の政策も、その後の米欧の政策対応によって、異次元さはすっかり薄れてしまった一方、イールドカーブコントロールの下で国債買入れの量や構成を柔軟に動かすといった新たな知見も蓄積されています。
量の多寡ではなく、むしろ中身の新しさや持続可能性の点で、新しい異次元を打ち出して欲しいように思います。