12時間もの先の高潮もニューラルネットワークによる予測が可能との実験結果。(AI×環境)【論文】
アイブン
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"これまで高潮を予測するには大きく3つのアプローチがとられてきました。1つ目は実験式、2つ目は流体力学モデルによる予測、3つ目はニューラルネットワーク(NN)による予測です。
NNは様々な分野で成功しており、高潮の予測に関しても多くの研究がされています。しかし、「長期的な予測」と「中身がブラックボックス」という2点の課題は未だに課題となっています。"高潮については台風の進路が最もファクターとしては大きいことがすでに経験値として知られています。湾の入り口から奥に向かって風が吹き込むようになると、吹き寄せの効果が最も大きくなるからです。ですから、特定の場所での高潮を精度高く予測したければ、台風の予想進路の精度をいかに高くするかにかかっているということもできます。
ニューラルネットワークとはすでに気象の分野では用いられて久しいものではありますが、流行りの言葉で言い換えれば要はAIです。この研究は、役に立ちそうなデータを何でもかんでもAIに放り込めば、適切に学習してくれて期待する出力を出してくれるという魔法のようなものではなく、AIに何をどのように学習させるのかが重要ですよ、というこれからもデータサイエンティストに期待される役割を改めて示しています。
また、AIが吐き出したデータをどのように見るか、というリテラシーも欠かせません。例えばAIがあれば気象予報士はいらないなどと言われることもありますが、さまざまなデータを見比べてどのデータが妥当なのかを判断する役割は引き続き気象機関や気象予報士に求められることになるでしょう。これはAIを用いるほかの場面でも同様かと思います。