[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米年末商戦の幕開けとされる「ブラックフライデー」を迎えた27日、主要小売店にはマスクを着用した買い物客が列をなしたが、その数は例年より少なかった。各社がオンライン向けの販売セールを前倒しで実施したほか、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念が客足を遠のかせた。

小売大手ウォルマートや家電量販大手ベスト・バイなどはこの日午前5時に開店。ケンタッキー州ラグランジュのウォルマートではオープン前に買い物客が約1.8メートルのソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保ち並んでいたが、全体的な人出は減少したもよう。人気ゲーム機を取り扱う小売店にはソニーの次世代ゲーム機「プレイステーション5」を購入するために最も長い列ができていた。

デロイト・アンド・トウシュのパートナー、ビル・パーク氏は、フィラデルフィア郊外のショッピングモールの交通量が昨年より約20─30%減していると推計した。

新型コロナが流行した今年、ターゲットやコールズ、ウォルマートなどの小売各社は年末商戦関連のセールを10月に前倒しで実施した。

全米小売業協会(NRF)は今年の年末商戦の小売売上高(自動車・ガソリンスタンド・外食除く)が3.6─5.2%増加するとの見通しを示した。金額ベースでは7553億─7667億ドルに当たる。

アドビ・アナリティクスは今年のブラックフライデーのオンライン売上高は89億─106億ドルになると予想。米感謝祭明けの月曜日に実施されるインターネット通販の大規模セール「サイバーマンデー」とともにオンライン販売で史上最高の2日間になる見込みとした。