2020/11/27

【直言】元祖・旅人経営者が語る「正解なき時代」の生き方

まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。
今回登場するのは、投資家・ビジネス書作家の本田直之氏だ。
2000年代から東京とハワイの2拠点でデュアルライフを実践し、これまでに『レバレッジ・リーディング』など75冊以上の著作を持つ本田氏。
今回、新型コロナウイルスによって大きく変わった社会を走り抜くための著者のノウハウを詰め込んだ『パーソナル・トランスフォーメーション コロナでライフスタイルと働き方を変革する』を、12月4日に発刊する。
DX(デジタルトランスフォーメーション)やCX(カスタマーエクスペリエンス)などといったキーワードが乱立する中、コロナ後に必要なのは人そのものが変革する「パーソナル・トランスフォーメーション」だと本田氏は予測する。
コロナは自身の考え方を「強制的に変える」チャンスだ──15年以上デュアルライフやノマドを続け、型にはまらないパーソナル・トランスフォーメーションを実践してきた著者が、コロナ禍におけるビジネスパーソンの行動指針を自身の経験をもとに語り尽くす。
本田直之(ほんだ・なおゆき)レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループに出資・経営参画し、上場に導く。現在はハワイ、東京に拠点を構え、日米のベンチャー企業への投資育成事業を行いながら、年の5カ月をハワイ、3カ月を東京、2カ月を日本の地域、2カ月を世界の国々を食およびサウナを巡る旅をし、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。サンダーバード国際経営大学院経営学修士(MBA)。明治大学・上智大学非常勤講師、(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ、アカデミー・デュ・ヴァン講師、フィンランド政府観光局認定サウナアンバサダー。

僕らは変わるしかなくなった

──今回、「コロナ後のライフスタイルと働き方の変化」というテーマで執筆しようと思ったのはなぜだったのでしょうか。
本田 僕はこれまで、ずっと「脱東京」や「LESS IS MORE(より少ないことは、より豊かなことだ)」といったキーワードを発信してきました。
ライフスタイルを変えていかなければいけないよね、と10年以上言い続けてきたら、新型コロナウイルスの影響によってDX、CXの必要性などが叫ばれるようになり、僕が言い続けてきたことが「本当にしなければならないこと」になりました。
新型コロナによって世界全体が同時にリセットされ、強制的に変化することを求められた。しかも、コロナの発生当時は「夏ごろには終わっているだろう」と言われていたものが、今では出口すら見えない状況になっていて、この先どうなるかなんて誰も予想できません。
こうなったら、自分自身で変わっていくしかないのです。先の見えない時代となり、僕のように、どこにいても仕事ができて、本業を決めない働きかたや、1つの場所に依存しないライフスタイルももはや特殊ではなくなりました。