「鬼滅の刃」英語版を全力で読んでわかったこと
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注目のコメント
すっげえ面白い記事!
鬼滅は、「鬼退治」的文脈から、桃太郎にルーツを持つのかな、と思いきや‥。柱の自己犠牲で成り立つ「安全」的なメッセージ性は、戦中の「特攻隊」も彷彿させられる。
物語には、定型的な類型があるとは、オザケンの父ちゃん、小澤俊夫氏の弁。類型で言うと、勧善懲悪の慈悲ありもんで、あり得ねぇ位の勢いで日本型に分類されるストーリーだと思う。
韓国では、炭次郞のピアスが「旭旗」を連想させるそうで、加工処理させるそうだが、それはやり過ぎなような気がする。(そもそも、著作人格権の侵害に該当しないのが不思議)
翻訳は、各地域の文化、物語の類型、レキシカンを意識しながらされるべきだと思うけど、村上春樹氏曰く、「物語は書き上がった瞬間から、読者のものになる」そうで、「鬼滅」もしかりだと思う。作家や編集者、出版社の方々の思いや、情熱を世界中の鬼滅ファンが自分なりの解釈で楽しんで欲しいなと思う。こういうのって本当に面白いし、ちゃんとかなり練られて翻訳されてるなって感じると、自分が大好きな日本のコンテンツが海外でも愛されているんだなと思えて、すごく嬉しくなりますね。
それから、現地の文化がすごく勉強になったり。
私は『聖剣伝説3』という日本のゲームを最近ずっと英語でプレイしていました。
そのメインキャラクターに「シャルロット」という小さな女のコがいます。
見た目はほぼ幼児なのですが、寿命が長く成長の遅いエルフとのハーフだからという設定で、実年齢は16才とかだったと思います。
日本語だとセリフの語尾に「〜でち!」と付けてしまうのが口癖となっていて、その幼児性を際立たせていますが、
これが英語になると、LとRがみんなWに置き換えられて表記されることによって、幼児的な舌足らず感を表現しています。
例えば、"really"とかは、"weawwy"になってしまう笑
初めてプレイした時には、初見な単語だらけの文章になってしまったようで、何が何だか分かりませんでした笑
英語版の声優さんも、「うぃあうぃ〜」みたいな感じの発音でちゃんと演技してます笑
でも慣れてくるとすごいかわいい
ところで、日本人はLとRの発音を区別するのが苦手だし、そもそもそれら自体を発音するのが得意じゃないみたいにずっと言われつづけていますが…
子供みたいな喋り方をする連中だと思われてたのかな…
俺ってショタキャラやったんやなあと、何か複雑な気分になりました。国内外問わずコミュニケーションを図る上で文化を翻訳するのは非常に難しい。単語ではなく背景を踏まえて訳さなければならないため、当然ながらより深い理解が必要になる。
歴史や情勢、立場、世界観、何より著者や作者が伝えたい意図を読み取っていかなければならないし、翻訳する相手側の文化や習慣なども踏まえて伝えなければならない。
洋画のタイトルなどもその部類に入るが、あまり意訳してしまうと却って伝わらない事が多い。
(STAR WARS 9th star wars the rise of skywalkerは本当にスカイウォーカーの夜明けなのか?と未だに考えてしまうが、訳者の意図があるのだろうし当然ながら万人受けするのも難しい)
でもこれらは仕事でもプライベートでも日常的に起きている事であり、それこそ“communication”の意図をどう理解するかで受けて側の捉え方が大きく変わってくるだろう。
私個人としては『学び手、受け手が常に正しい』と考えて話すように心掛けているが、やはり上手くいかない事が大いにある。
何事においても受け手側の立場や現状、文化や思考など理解を深めながらコミュニケーションを図っていきたいものである。
ある意味『彼を知り己を知れば百戦殆からず』である。
ちなみに「鬼滅の刃」における本来の刃の意図は竈門炭治郎や鬼殺隊の鬼を倒すと云う強い『意志』であると思うが、最初から“WILL”で訳してしまうとタイトルが長くなってしまったりするから素直に“blade”の方が良さそうし、文学としても『意志』を読み取って欲しいのではないかと思う。