RCEP、15カ国で協定署名へ インド除く、15日首脳会合
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論点としては
●FTAでなく、EPAとして機能するか?
●インドの立ち位置
の2つです。
FTA(自由貿易協定)は、物の行き来をスムーズにしましょう、というもの。
関税の撤廃が代表例ですね。
EPA(経済連携協定)は、物の行き来だけでなく、非関税障壁もなくしましょう、というもの。
非関税障壁とは、関税以外の貿易上の障壁です。
知的財産権のルールや、許認可権の基準が代表例ですね。
RCEPは「EPAを多国間で結びましょう」という形です。
TPPも似た形式ですね。
なので、様々な法制度を統一する動きが出ます。
しかし、中国と自由主義諸国では、法制度が圧倒的に違います。
アリババは中国当局を批判したら上場延期になりましたよね。
果たしてEPAとして機能するのか、かなり厳しいでしょう。
中国としては、ぶっちゃけルールの統一はどうでもよく、物さえ行き来すればOK、というスタンスなはずです。
FTA的な性格を強めようとするでしょう。
中国に対し、日本やオーストラリアがどうEPA的な性格を強めようとするのか。
(最近オーストラリアは中国と関係悪化しているので)
まだまだ綱引きするでしょうね。
その点、インドは微妙な立ち位置でした。
中国とも経済関係はあるが、安全保障では対立気味。
中国側につくか、自由主義諸国側につくか、悩ましいところです。
そうした背景もあって、インドは今回参加を見送ったのだろうと思います。
世界人国第2位の大国ですから、ぜひ参加して欲しかったところです。
とはいえ日本からすると、中国と経済的なパイプが保てたのは大きい、とする見方もあります。
経済的な結びつきが安全保障の対立を防ぐという論理がありますが、果たして通用するのでしょうか…
注目のコメント
トランプ政権下で米国がどんでん返しをしてTPPへの不参加を決め、アメリカ・ファーストを声高に叫んでいる間に、東アジアでは中国がイニシァチブを発揮し、中韓の経済連携の速度が速まった。そこで日本は中国、韓国も加えたRCEPという枠組みの意義を評価しはじめた・・・。もしそうであるならば、この4年間、政策のブレが大きかった米国の政策を考慮して、バイデン次期政権下で「米国とTPPの関係」を確認するまで待っても良かったのでは?
アメリカ、中国、ヨーロッパ、日本と、世界は新秩序としての4極体制が現実身を帯びてきた。
その中で蝶番として経済圏をまとめあげ、国際共通税制や共通制度を浸透させるリーダーシップは、ヨーロッパとともに日本が発揮していくべきだ。
TPP, RCEP, イギリスとEUとのEPAはその議論の土台としてとても大事な協定であり、細かな整合性を調整できるのは日本人のお家芸だろう。TPPはもともと米国が入って中国が入らない枠組みで、RCEPは中国が入って米国が入らない枠組みで、RCEPの交渉が前面に出る以前、中国は日中韓+アセアンの枠組みを押していたと記憶しています。日中韓+アセアンだと中国の影響が強くなり過ぎるので、我が国は、日中韓+アセアンにインド、オーストラリア、ニュージーランドが加わるRCEPを押すことになったはず。
米国と特別な関係にあって米国よりアセアンに近い我が国は、TPPなら米国を後ろ盾に中国と対峙して独自の立場でアセアンに向き合えますが、RCEPだとインド等と組んでアセアンと共に中国に対抗するのがせいぜいで、アセアンに対し独自の立場で向き合うことは難しい。だから我が国はRCEPでなくTPPを推進したのにTPPから米国が抜け、次善の策で臨んだRCEPも中国を牽制する要であるインドが抜けました。そして、インド抜きの合意を急いだのは中国であると報じられています。政権が変わって万が一にも米国がTPPに復帰する前に、米国抜きのRCEPでアセアンに影響力を強め、米国を牽制する思惑があるのでしょう、たぶん。
農畜産物を関税で守るのと引き換えに工業製品の関税をほぼ完全に撤廃してしまった我が国は、自由化度の低い“自由貿易圏”だと従来の不利な立場の是正が出来ません。「日本にとっては、中国と韓国が含まれる初めての経済連携協定(EPA)となる」とありますが、こうした経緯を勘案すると、これは、RCEPの中で日本が中韓の思惑に搦めとられる可能性を意味することでもあるわけで「自由で公正な経済圏を広げる日本の立場」がどうなるか、これからが正念場であるように感じます。農業が潰れる等と強くTPPを牽制した日米同盟嫌いのいくつかの主要メディアがRCEPを歓迎ムードで報じる背景には、そんな事情もありそうです (・。・;ウーン