スマホへの搭載が増える有機EL 液晶と比較して何がすごいのか
コメント
注目のコメント
三星という会社の深謀遠慮、長期的技術開発姿勢の勝利と言える。
過去、世界初の有機ELパネルはパイオニアが作ったし、世界で最初に携帯電話に搭載したのは三洋電機だったし、TVに搭載したのはソニーだった。
しかし、今では三洋電機は跡形も無く、技術者は開発できる環境を求め三星へ行ってしまったし、パイオニアはプラズマなどの失敗から投資が出来なくなったし、ソニーもまた長期に渡る不振の中で有機ELテレビはひっそりと生産終了し、虎の子とも呼ばれた技術はひっそりと医療用ディスプレイや放送機器用に使われるに留まっている。電機メーカーがこぞって不振の中、どこも莫大な投資には踏み出せなかった。有機ELは液晶パネルよりも投資額が嵩む。液晶パネルで痛い目を見た電機メーカーにはとてもではないが手を出せなかったのだろう。
そのためかはわからないが、2011年に船出したJDIには有機ELの技術は供与されなかったし、殆どゼロから作らなくてはならなかったからこそ、キャッチアップも容易ではなく、日系メーカーは有機ELでは全く存在感を発揮出来なくなってしまった。
材料や装置では出光、東レ、住友化学、保土ヶ谷、キヤノントッキなど有機EL向けに粛々と開発と供給を続けてきたわけだが…。
ユーザーが実感できないという指摘は頷けるが、スマホのデザイン面やUI面では例えば画面下指紋認証やフロントカメラのホールカメラ化は有機ELならではではある。(LCDでも不可能ではないが…)今は、OLEDがミドルレンジ〜ハイエンドまで、広い価格帯のスマートフォンに搭載されている。その評価は人それぞれですが、ここまで拡大した理由を過去に遡って考えると、Samsungがモバイル向けの開発と自社製品への搭載を長期間継続した(出来た)からだと思います。
スマートフォンのディスプレイが液晶のみであったなら、OLEDは今のmicroLEDくらいの存在で、液晶の次は液晶でなんの問題もなく、JDIは高業績を残し、Samsungのポジションも変わっていたかもしれない。
【追記】
有機ELの画質について、もう7年以上前になりますが、ティム・クックCEOが痛烈に批判をしていた。確かに、この時期はお世辞にも良いとは言えないくらい、液晶との差は開いていたと思う。
『アップルのクックCEO、有機ELディスプレイの発色を「ひどい」と批判』
http://m.japan.cnet.com/story/35028150/
7年経った今、液晶との違いが分からない、見分けが付かない、という評価をしてもらえるまでになった。評価自体は有機ELに対して否定的とも受け取れるけど、液晶と並ぶ評価をされるまでになったと見ることも出来る。
毎年のように(半年サイクルかもしれない)改善を続けて、ハイエンド機種に搭載してきた結果、Appleが評価を見直し、iPhoneに採用するところまで辿りつけた。
一方で、有機ELの評価が上がったのは、液晶の進化が相対的に低かったからだと思う。
液晶と有機EL、それぞれの特性が(スマートフォン向けの)将来性の有無になってしまった感はある。Samsungはそれを必然と考えていたのだろうか。こんなこと言うと身も蓋もないのだが。
スマホでOLEDのメリットを感じた事は一度もない。
OLEDスマホと液晶のスマホの両方を使っているが、液晶に対するアドバンテージがあるどころか、言われなければ液晶かOLEDか区別付かないかもしれない。
それが大多数のユーザーではないかと思うのだが。