[13日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は13日、国内経済はプラスの軌道に乗っているとしながらも、なお「深い穴」から脱出できておらず、新型コロナウイルス感染拡大で経済成長が鈍化する恐れがあるとの認識を示した。

ウィリアムズ総裁は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のインタビューに対し「このところの感染急増で、経済がこの時期を乗り切れるか大きな疑問が出ている。経済成長は第4・四半期、および来年初旬にやや鈍化する恐れがある」と指摘。事態収束は新型ウイルス感染症のワクチンと治療薬の開発にかかっていると述べた。

新型ウイルス感染症ワクチンを巡っては、米製薬大手ファイザー<PFE.N>が9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック<BNTX.O>と共同開発するワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表。

総裁は、こうした進展は「前向きの兆候」としながらも、インフレ率が向こう数年間は過度に低い水準にとどまると懸念していると表明。「事態は改善しつつあるように見えるが、失業は現在でも高止まりしており、米経済は深い穴から脱出できていない」と述べた。

その上で、政府がこれまでに打ち出した財政支援策は、現時点でも経済の支えになっているとの認識を示した。