Post-IPOスタートアップの成功事例について考える
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スタートアップが新産業創出のための原動力となるためには、IPO後も継続して成長することが必要ですが、実際に成功したPost-IPOスタートアップがどういった会社なのかを整理してみました。
エムスリー、MonotaRO、エス・エム・エス、ZOZOといった納得の企業群が確認できる一方、ドラッグストアや食品スーパー、トラックといった企業が上位に入っている点は意外でした。
株価の平均リターンをベースにUSの優れた経営者を紹介する『破天荒な経営者たち』という本が非常に好きですが、同様に優れたPost-IPOスタートアップを時価総額ベースで特定しようという試みです。
あくまで参考程度の簡易な観測ですが、なかなか興味深いリストではないかと思います。
『破天荒な経営者たち』
https://amzn.to/369NSER朝倉:日本の優良スタートアップ的なイメージで言うと、この中で分かりやすいのは「エムスリー」「エス・エム・エス」「ZOZO」「カカクコム」「サイバーエージェント」「GMOペイメントゲートウェイ」。後は10倍を少し切るものの、「デジタルガレージ」「SHIFT」「弁護士ドットコム」「モノタロウ」。
とのことで、ぎりぎり入りました。
「エムスリー」 :ネットMR/バーティカル特化
「エス・エム・エス」:ネット介護系人材/バーティカル特化
「ZOZO」 :ファッションEC/バーティカル特化
「カカクコム」 :ネット集客/水平レイヤ
「サイバーエージェント」 :ネット広告/水平レイヤ
「GMOペイメントゲートウェイ」:ネット決済/水平レイヤ
10倍以上になっている各社はこのような傾向がありそうです。
当時は小さかったが長期では大きくなるセグメントに長期間徹底して特化。1995年以降に上場した企業で、2020年9月時点の時価総額が1,000億円以上の国内企業をベースに、上場後の時価総額が上昇率の上位200社の顔ぶれが確認できます。
この記事でも3名で話をしていますが、もっと色々と示唆もあるし、是非一度ランキングを見てください。
いくつか記事中で述べている示唆を抜粋します:
1)アメリカと比較してインターネット等の新興テック産業が少ない
「アメリカではこの25年間、ドットコムバブルなどがあったので、同様の順位付けをすればITやソフトウェア、インターネットの会社が多いでしょう。日本は明らかに旧来型のビジネスが圧倒していますね。」
2)B2Cというより安定成長領域で事業展開している企業が多い
「非常に安定性が高く、すぐには消失しない業界の裏方系で着実にグロースしているような会社が入っているのではないかと。BtoCで注目されているというより、比較的地味にスケールしてきたような会社が目立つ気がします。」
3)エクスポネンシャルな成長曲線(株価曲線)を辿っている
「例えば「モノタロウ」「日本M&Aセンター」は、今に至るまでかなりの期間、事業を継続しています・・・・・最初のうちは比較的地道に成長し、この5年、10年で急速に伸びたという軌跡をたどっています。まさに、エクスポネンシャルなカーブ。」
4)成長産業にいかに早く参入し、継続的に投資を続けられたか
「これだけEC化が進んだ中、例えば「モノタロウ」がECで独占的なポジションを獲得できているのは、かなり早い段階で長期的なトレンドをキャッチして取り組んできた・・・・成長し続けている産業に対し、いかに早くから投資をスタートさせたかという要素も感じますね。」