【新】辺境ノンフィクション作家に聞く「世界を見る目」の育て方
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色々と共感する内容の多い記事です。「辺境」というのは、実は、「中央」(政府であったり、マジョリティグループであったり)を合わせ鏡のように映し出す、あるいは、逆照射する存在であったります。また、受け身でもなく、しなやかに自らがどう生きるか、時代に変化して適応していく存在でもあります。
私は15年ほど前に、長津一史先生の『「正しい」宗教をめぐるポリティクス : マレーシア・サバ州、海サマ人社会における公的イスラームの経験』という論文を読んで、マレーシアのイスラーム化やマクロ政治を理解する重要な手がかりを得ました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcanth/69/1/69_KJ00004582202/_article/-char/ja/
今振り返ると、マレーシアだけでなく、東南アジアや新興国の他の国を見る上でも、当時得た着想をベースにした考え方が影響していると感じています。
こうした話題は、一見するとビジネスとは関係のないように見えますが、極めて具体的であり、メインストリームを理解するための「辺境」であったりもします。「辺境」を研究している方や、「辺境」を歩き回っている方と話すと、とても刺激的です。現場にいかなければ、その風土や慣習はわからない。その通りですね。それをショートカットで見せてくれるのが「食」というフィルター。
納豆という地味な発酵食品を通じて、勝手口から文化や歴史を眺めることができる。ユニークな発想です。
同じ発酵食品のチーズも、原料は牛乳であったり、山羊や羊、バッファローだったりします。ソフトあり、ハードあり・・で、製造方法も多様。それぞれの風土に合わせて製造し、その土地だからこそ味わえる旨みがあります。
食というフィルターを通じてその土地を想う。今日の食事からそういう目で見てみようと思います。子供の頃、石毛直道先生のアジアの食に関する本を読んで、こういう仕事をして生きていきたいと思ったことを思い出しました。発見が常にあり、自分のもっていた価値観や予断を揺すぶられるのが、知らない場所に行く醍醐味だと思います。アフリカも面白く、まだ全然飽きないです。