プラごみリサイクル義務化 大量排出の事業者対象、政府方針
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「工場やオフィスから出るプラごみの大半が焼却処分されている」というのはちょっと言いすぎで、工場から排出される汚れていない、分別が容易なプラスチックは、リサイクル品として売却されることも多いです。事業者としても、お金を支払って廃棄するよりも、買い取ってもらってリサイクルするほうが良いので、色々なとリサイクルできないか画策しており、何も考えないで焼却にまわすといったことは少ないと思います(最近はリサイクラーの受入基準が高くなっており売却できないプラも増えていますが)。製造工程のプラスチック端材等を自ら破砕のうえ再造粒し、そのまま製造ラインへ投入する設備を持つ製造業者もあるくらいです。
一方で、プラスチックの用途、色や種類の混在状況、異物の付着状況によって、リサイクルできないものとして取り扱われるプラも確かに多数存在しています。分別や洗浄することによってリサイクル可能となる場合でも、担当者に知識がない、人件費をかけられない等の理由で、分別洗浄が行われないこともあります。こういったものに対し、法律で分別を義務付けることができれば、確かにリサイクルにまわるものは増えていくと思います。
しかしそれでも、複数の種類のプラが合わさった油まみれの成型ダンゴや弁当ごみ、特殊な不織布など、マテリアルリサイクルがかなり難しいプラは存在します。リサイクル義務付けの例外を作るのか、サーマルリサイクルもここでいうリサイクル扱いとするのか。どのような対応をするかは明らかにはなっていませんが、議論が深まるにつれて、現場の実態に即した課題が次々に出てくると思います。
なお、10月20日の審議会は、この他にも「事業者から排出されるプラスチック資源を市町村が回収する場合には、家庭から排出されたものとまとめてリサイクルできる環境を整備する」「家庭から排出されたプラスチック製容器包装とプラスチック製品について、容器包装リサイクルルートを活用して、まとめてリサイクルできるよう措置をとる」等、これまで日本のプラスチック資源循環でネックとなっていた部分に直接切り込むような議論が色々となされていました。全体的に「資源・ごみは出自ではなくその性質によってリサイクルしやすいように区別されるべき」という傾向。また別途コメントしたいです。