2020/11/12

【警鐘】スマホに潜む「デジタル資産」を管理せよ

あなたのスマホやパソコンには、どれだけの「資産」が眠っているだろうか。
「〇〇pay」と名の付いた電子決済サービスの急速な普及、スマホでワンタップで完結する株式投資──いずれも電子機器の中に資産と呼べる価値のあるものが含まれていることになる。
では、これらの資産は自分が死んだ時、どうなるのか。
「デジタル遺品」とも呼ぶべきこれらの資産には、相続の規定の整備も進んでおらず、また私たちの意識も低いままだ。
明確な規定が無い現状では、電子決済サービスに入金したお金や暗号資産、SNSのアカウントに至るまで「自衛」することが必要であり、将来のために今からある程度整理しながら考えていかなければならない。
「整理の魔力」第4回では、長年デジタル遺品について取材やコンサルティングを行い、『スマホの中身も「遺品」です』などを著書に持つ古田雄介氏に、デジタル遺品について今から考えておくべきことを聞いた。

〇〇payは「相続」できる?

──「デジタル遺品」という言葉は、いつ頃から生まれたのでしょうか。
古田 「デジタル遺品」という言葉自体は2002年ごろの論文でも使われていましたが、現在の意味で使われるようになったのはここ4、5年くらいです。スマートフォンが普及し、オンライン銀行や証券サービスも浸透してきた頃です。
そして、ここ2年ぐらいで新たに仮想通貨や「〇〇pay」などの電子決済サービスが急速に浸透しました。
特に電子決済サービスは「〇〇億円還元」といった大規模なキャンペーンを打ち出して、これまでキャッシュレスや暗号資産に興味がなかった人でもアプリをダウンロードしたり、数万円単位でチャージしている状態が普通となりました。
これほど世の中に浸透するサービスとなった今、いわばスマホ内に保管された、経済価値のある資産をどのように取り扱っていくべきかが問題になり始めています。