中国、デジタル元を市民に配布 実用化へ試験運用
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中銀発行デジタル通貨(CBDC)のこのスピード感は、とんでもない通貨政策、金融政策、経済政策であることを日本も理解すべきだ。
民間による仮想通貨に対抗し、国家が通貨主権を持つには中央銀行がデジタル通貨を発行するしかない。これにより、異なる通貨の相互運用を国家が確保、担保したうえで、デジタルでより安全&ローコストな金融取引を行うことができる。
各国の政府や中央銀行は、いままで民間セクターによる貨幣創造に対してネガティブな言動ばかりしてきたが、ここにきて中国が動きを加速することで対抗を余儀なくされている。
要するにCBDCを基軸として全世界に通貨同盟を作ろうというのが真の狙いである。
CBDCは政府にとって極めて都合の良いことが多い。
例えば、トレーサビリティ一つとってもマネーロンダリング防止や、脱税を取り締まるには好都合である。
また、本質的に考えれば経済学部出身者レベルのマクロ経済、ミクロ経済の知識でも十分に理解できるはずだが、金融政策に対しても大きなメリットがある。
特に、特筆すべきはCBDCにより中央銀行が直接マイナス金利を課すことが個人に対して可能となる。これはとんでもないことだ。
貯蓄選好の高い日本などが分かりやすいが、マイナス金利で貨幣価値を低下させ、高すぎる貯蓄率を下げることも可能。そして、今回のテスト同様に景気刺激策としてCashを送ることもできる。
なによりも商業銀行の存在意義を問いかけることにもなりかねない。
日本人には全く知られていないが、中国のデジタル通貨になっているウィチャットペイとアリペイの二大デジタル通貨が普及していることに対して、昔からある銀聯という中国のデビットカードサービスは、ほとんど使われなくなってきている。
このため、支払いを銀聯カードでするとキャッシュバックをすることで対抗している時期があった(今でも時々実施しているが)。
中銀が個人スマホ向けアプリを作り、決済を握ることで前述の二大決済プラットフォームに対抗する意図も見え隠れする。
それほどの大きな出来事なんだけど・・・分かって無い人が余りにも多すぎて、私は驚きを隠せない。CBDCに関しては、中国人民銀行は2014年から研究を始めており、6年の歳月を経て、いよいよ実用化が現実味を帯びてきました。
私も研究者らと交流したことがありますが、ものすごく優秀な方々が、オペレーション、技術、法律など様々な角度から実用化を見据えた研究を進めており、本気で導入するのだなとの印象を持ちました。
中国の改革開放の歴史を見ればわかるように、まずはいくつかの点(特区)で運用を始め、運用を見極めたうえでその点を徐々に増やしながら「線」でつなぎ、最終的に「面」(全国)へと展開していくと考えられます。
もし何らかの問題が起これば最小限の「点」の時点でストップがかかるはずです。
まずは深センからのスタートという事ですが、近い将来他のエリアでも徐々に試験運用が始まると思います。将来の展開を占う上でも、この「点」での試験運用状況は非常に重要ですね。圧倒的なスピード感。
追いつける気がまったくしない。
日本でもデジタルの話が盛り上がってきているので、大々的にこのネタを報道して欲しいです。
マイナンバーを開示してはいけないこととか、消費者からのクレームで動いてしまう消費者庁など、国民の価値観の浸透待っていたら、10-20年後の国力低下への布石をドンドン打てなくなる。
この分野では、日本が日本である意義は、世界的にもあるはず。頑張りたい!