【読書】コンサル一年目が叩き込まれる「必須スキル」
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経営コンサル15年やってみて、これらはコンサルタントには必要と思います。
もちろん、必要といっても、スタートラインに立つ資格として。
ただ、この中でも簡単なものと、難しいものが。
新人コンサルタントの育成をしていて、新人が一番つまずくのが、この中だと「仮説ありき」な気がします。
仮説の筋の良さは、かなり経験や知識に依存する。
なので、新人が筋のよい仮説を最初から持つのは難しい。
そこでの岐路は、筋の悪い仮説でもまずは進むべきか、筋の悪い仮説なら捨てるべきか。
育成経験的には、前者の方がコンサルタントとしての成長は早いです。
前者は進んでいるうちに新たにインプットしたファクトから仮説が違うとキャリブレーションや軌道修正でき、仮説を進化させられる。
後者は結局は仮説を持たず進むことになり、進む方向も定まらず戦線が拡大し、進んでもなにを確かめたくてインプットしているかわからないので仮説が進化しないし、パワープレイで労働時間だけ長くなり、すべてが徒労に終わる。
なので、筋の悪い仮説でも、持たないより早く決めて持った方がよい。
特に新人コンサルタントのうちは筋が悪いパターンばかりなので。
そのときに大事なのは、自分の仮説に固執せず、進みながらキャリブレーションや軌道修正をすること。
そのためにも、仮説は反証のための論点がクリアな命題で持つ。
例えば、海外進出を考えるプロジェクトでどこの地域に進出するかで:
・インド市場にいま進出するのがよい
・インド市場に、顧客のスイッチングコストを考えると、いま進出するのがよい
という命題の二つの仮説だと、次のアクションの効率がかなり違います。
前者だと、時間かけて幅広くインドについて調べるが、論点不明で仮説どおりか判断つかない。または、調べ直すことに。
後者だと、顧客にヒアリングして商品の併用やスイッチの経験や動機を聞くか、実際に顧客を観察することで、仮説どおりか、キャリブレーションすべきか判断つきます。そのとき、スイッチングコストがそもそも論点なのかという議論は残りますが、それすら仮説として柔軟に再設定する。
経営コンサルの技術は、長時間労働や退場宣告リスクに苦しんだ上で解決策として生み出されたもので、コンサルというと乾いたイメージを持つ人もいるかもですが、意外と先人たちの生存の知恵が詰まっている気がします。
注目のコメント
コンサルと言わず若手社員全般には必要なスキルだと感じました。
良質なスキルをいかに蓄え、動いていけるか、そのスキルは何なのかということを考えつつ習得する必要性を感じました。まだまだ自身も勉強しなければならないと自戒も込めて読みました。この文章自体を構造化したくなるくらいには、コンサルにどっぷりつかってしまっているので、こういう文章を1年目が書いてきたら
「これ、何順で並んでる?優先順位高い順?時系列?目的と手段が混在されてるから分かりにくいんだけど・・・」
とか聞いてしまいそうです。笑
もとい、記載されている通り「仮説思考」が一番重要であって、それ以外はHowの話でしかないですね。
仮説思考→それを検証するためにどう情報を集めるのか→どう伝えるのか
ですので、その順番に読んで頂くとわかりやすいかと。
しかしながら、ここは「コンサル1年目」だからかもしれませんが、「対クライアント」の視点が全くないのに違和感を覚えました。
1年目とはいえ、私が新卒研修などで伝えているのは「クライアント・ファースト」なので、上司をみて仕事をするのも良いですが、先ずはしっかりクライアントを見て(クライアントニーズを掘り下げて)仕事をして欲しいと思います。
直接クライアントとコミュニケーションが取れなくても、指示を出してきた上司に「クライアントの課題感はこういうことですか?クライアントの期待値はどういった点でしょうか?自分はこう思います」くらいは言って欲しいなぁ、と思います。
あとは個人的な意見になりますが、こういうコンサルティングアプローチはもはや、コンサルだからではなく業界・業種問わず皆さん意識される頭の使い方だと思いますので、もしコンサルを志して下さる方々がいらっしゃるのであれば、もっと大局で、コンサルティングビジネス自体がどう変わろうとしているのか、変わるべきなのか、を考えて頂けた方が、面白いのではないかと思います。