2020/10/7

【直撃】ZOOMじゃ物足りない。僕らはVRに本社を移す

NewsPicks 編集部 記者・編集者
「コミュニケーションが不足しがち」「集中できない」「働く場所を確保できない」「生産性が上がらない」──。
4月の緊急事態宣言から半年。多くの企業でリモートワークが定着しつつあるが、ここにきてその限界を指摘する声が増えてきた。
他方で、働く場所をオフィスに限定しない、自由な働き方を支持する人も多い。企業としては、人材確保の上でもこの流れを無視するのは難しいところだ。
自由な働き方を維持しつつ、リモートワークの問題をどう解消していくか。
AI(人工知能)翻訳の開発を手がけるロゼッタ(東京都新宿区)が出した答えは、VR(仮想現実)への「本社移転」だ。
ロゼッタは10月1日にVR空間への本社機能の移転を開始。経営層など十数人がフェイスブックのゴーグル型デバイス「Oculus(オキュラス)」を使って、VR空間で仕事を始めている。早ければ年内に本社勤務の約100人に「VR本社移転」の対象を広げていく。
ロゼッタによると、自社で開発したAI翻訳機能を搭載して、外国語の逐次翻訳にも対応していくという。「距離の壁」だけではなく「言葉の壁」も超えられるVRオフィスの計画だ。
「VRならば、自宅で仕事をしながら、リアルのオフィスと同様のコミュニケーションを実現できる」と話すロゼッタの五石順一社長に、VR本社移転の真相を聞いた。

VRはリアルより本音が出やすい

──10月1日に本社をVR空間に移したとのことですが、今はどのような状況なのでしょうか。
五石 今は経営層と経営戦略的な仕事をする十数人が、VRデバイスのオキュラスを使用しています。
1日中、仮想空間で仕事をしているというわけではなく、VRを使うのは今は会議やミーティングの時だけ。緊急事態宣言以降、リモートワークを継続しているので、家からVRに入るということです。
10月13日に次世代機の「Oculus Quest 2」が発売されるので、そのタイミングで30人程度に対象者を拡大します。
そしてOculus Quest 2対応の「Infinite Office」(オキュラス用のVRオフィスサービス)がリリースされたら、本社勤務の100人くらいがVRを使うことを考えています。
現在はVRを使うのはミーティング時のみですが、この段階になると、普段、一人きりでの仕事もVRでやるようになります。全面的にVRです。
──VRオフィスに対する社員の反応は。