2020/10/5

【決算レビュー】ニトリは、業績絶好調でも「反省」する

東 春樹
NewsPicks, Inc. 記者
「今年は“反省をする”足がかりとなる1年でした」
家具・インテリア業界最大手のニトリホールディングス(HD)は10月2日、2020年3〜8月期(第2四半期)の連結決算を発表した。
4月に行われた20年2月期通期決算では33年連続増収増益を達成し、7月の21年2月期第1四半期(3〜5月期)でも業績を伸ばしている。
多くの小売業がコロナ禍に苦しむ中で、数少ない「勝ち組」企業のひとつだ。
今決算でも好調を維持し、通期決算予想を上方修正したほど業績は良い。
しかし、同日行われた決算説明会において、創業者である似鳥昭雄会長は冒頭のように「反省」と口にした。
会長発言の真意とは。最新決算で語った言葉には、似鳥会長が考える小売業の未来が詰まっている。3つのポイントで解説する。
(画像:Bloomberg / 寄稿者)

① コロナ後は「寡占化」が進む

2020年2月期まで、実に33期連続で増収増益を達成してきたニトリ。しかし、コロナの影響をモロに受ける2021年2月期は、当初、連続増収増益を危ぶむ声があがっていた。
しかし、ふたを開けてみると、絶好調を維持し、第2四半期の連結決算では、売上高が前期比12.7%増の3624億円、営業利益は同45.0%増の805億円、営業利益率は22.23%となっている。
また、このタイミングで通期決算予想も上方修正。売上高は6532億円から7026億円、営業利益は1122億円から1329億円を見込むとした。
第1四半期に続いて好調となった要因を、似鳥会長はコロナ禍における消費の「ある変化」を例に挙げて分析した。
似鳥会長によると、小売業界はコロナを経て、ますます寡占化が進むという。