テスラ中国生産、政府が期待する「ナマズ効果」: 日本経済新聞
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(以下記事抜粋)
異質なものが外から入ってくると全体の活力が高まることを例えた「ナマズ効果」という言葉がある。中国政府は穏やかな池のようだったEV市場に捕食者をあえて入れることで、国内企業の競争力を高められると読んだのだろう。
中国政府がナマズを投入したのは、EV市場だけではない。スマートフォン市場でもナマズ効果を狙った。アップルは多くのiPhoneを中国で組み立てており、主要部品を現地調達するため中国でサプライチェーンを広げた。その結果、iPhone向けの技術が中国のスマホメーカーでも採用される波及効果が生まれた。
この10年で華為技術(ファーウェイ)、小米(シャオミ)、OPPOなどの中国のスマホメーカーが急成長したのは、アップルが約380社の中国の部品メーカーに最新の知的財産を提供してきたことが要因の一つだ。
中国政府がテスラにひき付けられたのは、この波及効果への期待からだろう。独フォルクスワーゲン(VW)もこのほど、2024年までに150億ユーロ(約1兆8千億円)を中国事業に投資すると発表した。NIOなどが短期的に苦しむとしても、長期の利益はそれを上回ると認識しているのだ。
マッキンゼーによると、中国のEV市場は22年に約350万台と、19年の120万台から増加が見込まれている。市場の成長を追い風に、メーカーは生産規模を生かしてEVの価格帯を手ごろに引き下げられるだろう。