[パリ 29日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は29日、今年の旅客見通しを引き下げた。新型コロナウイルスの感染再拡大や渡航制限で夏期の需要回復がさえなかったことを受けた。

通年の旅客数は前年比66%減少に引き下げ。従来は63%減と予想されていた。

IATAのチーフエコノミスト、ブライアン・ピアース氏は「夏期に見られた改善はおおよそ止まった」とし、8月は旅客数と飛行距離を反映させた数字で75.3%減少。7月は79.5%減だった。

8月は国内線が前年比50%減にとどまったが、国際線は88%減少。国別ではロシアが3%増加する一方、オーストラリアは88%減、中国は19%減だった。

貨物需要は12.6%減。7月の14.4%減から改善した。

IATAは、全ての国際線利用客に空港での新型コロナウイルス検査を実施し、利用低迷を増幅させているとする渡航後の隔離策を廃止するよう各国政府に求めている。