ECB、ユーロ高は経済情勢に整合的と判断 現時点で看過=関係筋
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「関係筋」が示唆するように、今回のユーロ高に対応しようとすれば、「やりにくい相手」との対立を先鋭化しかねないので、政治的には米国の大統領選やBrexitの調整期間の終了まで大人しくしておくことが合理的ではあります。
その上で今朝の某番組でも申し上げたように、①ユーロの上昇はそもそも経済の先行きに対するポジティブな評価に基づいている、②実質実効レートで見るとユーロの水準は長い目で見てむしろ低い、といったファンダメンタルズを踏まえると、ユーロ高懸念も海外に対して説得力が乏しいことも重要です。
ECBにとっては、ユーロ高自体よりも、名目実効レートと実質実効レートの乖離の定着と拡大が示唆する問題、つまりユーロ圏と主要な貿易相手との間の構造的なインフレ格差の定着の方が、より悩ましくかつより政策目標に直結する問題として深刻だと思います。