(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)離脱協定の重要部分を無効にする新たな法案を英政府が準備しており、EUとの通商協議の崩壊につながる危険があると英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。

事情に詳しい関係者3人からの情報を引用し、同紙が伝えたところでは、9日に公表を予定する「国内市場法案」の項目は、国庫補助と英領北アイルランドの税関を含む分野で「離脱協定の法的効力を一部失わせる」と考えられる。

関係者の1人は、アイルランド国境のハードボーダー(物理的壁)の設置回避に向け、昨年10月にジョンソン首相が署名した北アイルランドに関する合意を「明確かつ意識的」に損なうものだとFT紙に述べたという。

英政府の報道官は同紙の取材に対し、北アイルランドの手続きを巡る「未解決の問題解消に向け懸命に努力している」としながらも、「北アイルランドのコミュニティーを確実に守るため、これが達成されない場合に備えて、フォールバック(代替)オプションを検討している」と説明した。

原題:U.K. Seeks to Override Parts of Brexit Withdrawal Pact: FT(抜粋)

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