2020/9/3

【最新】普通の風邪の免疫が、新型コロナに効くかもしれない

NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト
「普通の風邪」にかかったときにできた免疫が、新型コロナウイルスを撃退してくれるかもしれない──。
そんな可能性を示す研究成果が最近、相次いで発表されている。
ある病原体に感染したときの免疫細胞の記憶が、それに似た別の病原体が侵入したときにも呼び起こされ、免疫反応が起きる。その現象を「交差免疫」という。
新型コロナウイルス感染症には、軽症や無症状の人が多い、子どもは重症化しにくい──といった特徴がある。交差免疫は、それらの特徴が生じた理由の一つかもしれない。
さらに、世界が待ち望むワクチンの開発にも関係してくるという。
交差免疫の鍵となるのは、免疫細胞であるリンパ球の一種「T細胞」だ。
T細胞を中心とした免疫学の専門家、慶應義塾大学の吉村昭彦教授が、この興味深い現象と主な研究成果について解説する。