バンクシーが巨大救命ボートに資金を提供。地中海の難民救出のため
美術手帖
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同時に発表されたバンクシーの声明は、<人種差別に反対して声を上げ、気候正義のための運動に参加し、近くても遠くても、あらゆる生命に対する世界的な尊重を守るため>の行動を促す内容。気候変動をめぐる問題も同根なのだと理解が進めばよいなと思います。
《風船と少女》をモチーフに、ライフジャケットを着用した少女が描かれているところが、いかにもバンクシーらしい。
賛否両論のある覆面アーティストではありますが、謎めいた人物でありながら、世界中を舞台に神出鬼没を繰り返し、路上のあちこちにアートを通して政治的なメッセージを残すなどバンクシーの行動が魅力的でいつも楽しませてくれます。
現代アートには、一昔と比べて作品のなかに何らかの他者へメッセージを含むということも少なくなり、ひたすら自分の感覚世界を表現しているのであって、そのため感覚に偏った傾向が顕著になっているといった近年のアートの状況があります。
バンクシーの作品の場合は、パレスチナ・イスラエル問題、児童労働、過度な資本主義、暴力やテロ、人種差別など様々な問題に対してアートという形で一貫した強いメッセージ性を放ち、見る側に色々な気付きを与えます。
アート作品は本とは違い言葉がないため、アートでしか表現できない作品と思い思いの「対話」を楽しみ、私たちの社会や生活との関係性や、作品が生まれた背景、アートが発信するメッセージなど能動的な発見につながり、世の中の課題について主体的に思考できるようになります。
現在日本でバンクシー展覧会が行われているので、ご興味の方はぜひ足をお運びくださいませ。
▼バンクシー展
https://banksyexhibition.jp