マイクロプラスチックはここまで拡散していた
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「東京湾で捕れたカタクチイワシの8割近くの内臓から、プラスチック片が検出された」という記事があった通り、マイクロプラスチック問題は対岸の火事ではありません。
マイクロプラスチックは山でも検出されており、一度微細になってしまうと回収が困難であるため、まずは陸でも水辺でも環境中に流出させないことが重要です。
多くの国で、レジ袋禁止・有料化や、使い捨てプラスチック禁止の動きがあります。このように、生活者が使用するプラスチックのインプットを可能な限り少なくすることは一つの策です。しかしこれだけではなく、「あえて環境中に投棄されるプラスチック」と、「知らずに環境中に流出するプラスチック」も含めて、総合的に対策を行う必要があります。
「あえて環境中に投棄されるプラスチック」とは、ポイ捨てごみ、漁具、本記事のあるような回収されない農業用具等。海への投棄が国際条約で禁止となっているものもありますが実効力に課題があり、各国でより強力な規制を徹底する、サブスクリプションやデポジットで使用後に戻る仕組みを作るなどの対策が必要です。
「知らずに環境中に流出するプラスチック」とは、タイヤ、プラスチック繊維、プラスチック肥料カプセル、人工芝等。海洋分解性素材にする、使用方法を工夫してすり減るのを減らす、下水処理場で取り除くなどの方法がありますが、それぞれ様々な課題があります。洗濯機にマイクロプラスチック用フィルターをつけることを2025年より義務付けるフランスのような事例もありますが、政府からの規制が積極的にかかることは、現在は少ないです。しかし、無視できないレベルまで消費者の問題意識が高まる予感はあります。まずは生産者が自覚のうえ率先して対策を考える必要がある分野です。使うことを規制するより、作ることを規制しない限り短期解決が無理な話です。
一方でナノ技術とか超微細技術で新しいものを便利に使ってしまっているのだから、便利さとリスクのトレードオフをどこまで許容できるかの問題である。