【新説】戦略より物語。コンサルの役割が変わった
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コンサルティングには、「プロジェクト型」と「顧問型」の仕事があります。
企業再生や戦略策定、業務改善などのテーマで、プロジェクトによって課題を解決する「プロジェクト型」は、システム開発のようなもので、決められたゴールに対して、適切な要件定義とアプローチを通じて組織で動きます。
コンサルティング会社出身と言っても、多くの場合はこのプロジェクト型の1人のメンバーにアサインされている場合が多く、経営目線で課題解決をできる人材は稀。
一方で「顧問型」の場合、経営者の壁打ち相手になり、本質的な悩みに寄り添い、経営者の持つ答えに対する客観的な見解を提示したり、後押しをするなど、自身の専門性を活かした参謀的な役割を担います。
経営者が打ち明けられない悩みを共有いただくわけで、「顧問型」の仕事は指名制であり、信頼が前提になります。
私もコンサルタント時代、後者の依頼こそが醍醐味であり、「顧問型」で依頼があれば、自ずと「プロジェクト型」の仕事が増えることを強く実感しています。
「プロジェクト型」の仕事しかしていない場合、それは「個人」の力ではなく、「会社」や「上司」の名前で仕事しているに等しい。
自身が経営者の立場になって感じることは、コンサルタントに頼まずとも、投資家や先輩経営者が「顧問型」の役割を担ってくれることが多々あり、「コンサルタント」に頼むハードルはかなり高い。
記事で伝えている内容も、後者「顧問型」の重要性が示唆されます。
コンサルティング会社出身者を採用する際には、この辺りの経験をしっかり聴くことが重要。コンサルの役割は「答えを示す人」から「触媒」へ。
組織はのカタチは、「生産する組織」から「創造する組織」へ。
キーワードはビジョン思考に物語ーー。
顧客との接点について考えるあらゆるビジネスパーソンに読んでいただきたい記事です。「限られたパイでシェアを争う」「勝ちパターンを見つけたら拡大再生産していく」という理解では戦略がかわいそう。ただ、そういう風に使う人もたくさんいるようです。1989年に書かれた「ストラテジック・インテント」という有名な論文では、そうした狭い意味での「戦略バカ」が欧米企業の競争力を失わせたと指摘しています。その後の復活を見れば「本当の戦略」の力がわかります。
個人的には、顧客(企業)の良さを市場とのインタラクションの中で引き出すことが重要(そしてその中核に戦略がある)と思っているので、どの手法とか、誰が何をするかというのはいろいろなバリエーションがあっていいと思います。
前職ではよく「メソドロジー」という言葉を社長に言われていましたが、自分(自社)にあった手法を見つけ、実行していくことが経営の役割と理解しています。